2013年3月20日水曜日

GolfとCoreトレーニング


 今、「Core」を鍛えてぃる。ゴルフスイングにはコアと下半身の強靭さが要求される。スイング時に身体がブレ無いバランスの良さを保つ秘訣は「Core」にある。
 ジムに通いBody Works Plus Abs」のクラスでCore」を鍛えている。身体のバランスとコア筋力(体幹)を鍛えるトレーニングである。

 インストラクターのJuliaは身長160cmほどの小柄なアメリカ人女性(4?歳)だが、見た目は30代前半にしか見えない容姿を保っている。体の美しさと柔軟さは10代の少女も顔負けで、足のストレッチでは真横に180度開脚し、前屈は90度で倒し、胸をぴたりと床につける柔軟性がある。コアの強さは、片手10kgのウエイトを持ち片足立ちで、床と平行に足と手を保持できるパワーがある。

 このクラスに参加して、如何に自分のコアが弱く、バランスを保持できないのか実感した。このコアの弱さが、自分のスイングの乱れに繋がっていたことを再認識させられた。
 20年程前にあるレッスンプロの指導を受けた時の記憶が蘇ってきた。「アドレス時のポスチャーで3分間。バックスイング時に右足の片足立ちを、フィニッシュの体勢で左足の片足立ちを3分間体を保持できるバランスを保持するトレーニングするように」と指導された。これが「コアを鍛える」ことを意味していたことを思い出した。

 Tiger Woods」の美しいスイングの特徴はインパクト時、フィニッシュ時に全く体のブレがないことにある。タイガーは自分のホームページに日々のトレーニングについて語っている。
「トナーメントの無い日は1日約3時間の基本(Cardio/ weight/Coreトレーニングと約7時間のゴルフ・トレーニングを行っている。Flexibility(柔軟性)のトレーニングがスイング安定の最も重要な核である。パワフルなスイングを保つ秘密は柔軟性にある。日々のトレーニングは最低40分のストレッチングを行った後に行っている」

コア・トレーニングについて、「ゴルファーには、柔軟性と強靭なコア筋力の両方が重要である。コア筋力はボールをヒットするインパクト時に必要なスイング動作のコントロールとパワーエネルギーを伝達する働きがある。そしてコアを鍛えることにより、バランスの取れた完璧なポスチャーの維持を可能にする」と語っている。

 確かに、コア・トレーニングを始めて、「コア筋力を鍛えることにより、間接の柔軟性が向上してきた。背骨からつま先までバランスと柔軟性を鍛えることが、ブレ無いスイングに繋がる」と実感できたことだ。
勿論Tigerのようなパワーを求めても身体を痛めることになる。重要なのは、自分の体力に合わせた柔軟性の維持とコア・トレーニングを継続させることだろう。




2013年2月26日火曜日

ダイエット考察


 ダイエット(食事制限)の効果があらわれたのは、4週間ほど経過した頃からだ。昨年の8月半ば過ぎから、体を慣らす20~30分程度のジョギングとダイエットを始めた。最初の1,2週間は10分走り3分歩く、体力の持続を目的にしたトレーニングで必ず20分走るように心掛けた。 
 先ず、最初にダイエットの科学的な根拠を学習した。減量のメカニズムは、摂取カロリーと消費カロリーを知ることにあった。
    消費カロリー方程式=基礎消費カロリー+活動消費カロリー
      (基礎消費カロリー:人間が生活する上で自然に消費するカロリー)
      (活動消費カロリー:生活活動に伴う消費カロリー(散歩、通勤、運動などの合計)

年齢階層別基礎代謝基準値と基礎代謝量
年齢
(歳)
基礎代謝基準値
(kcal/kg/日)
基礎代謝量
(kcal/日)
男性
女性
男性
女性
1~2
61.0
59.7
700
700
3~5
54.8
52.2
900
860
6~8
44.3
41.9
1090
1000
9~11
37.4
34.8
1290
1180
12~14
31.0
29.6
1480
1340
15~17
27.0
25.3
1610
1300
18~29
24.0
23.6
1550
1210
30~49
22.3
21.7
1500
1170
50~69
21.5
20.7
1350
1110
70以上
21.5
20.7
1220
1010
 (*厚生省資料)
 基礎消費カロリー(基礎代謝〉は、(基礎基準値(65歳):21.5kcal/kg/Day)×(体重)で求めることができる。活動消費カロリーは日常の生活活動に応じ、基礎消費カロリーの[30~50%]が加算される。一般的な生活活動であれば、30%増になり運動量が増加すれば50%増になる。消費カロリー=(21.5×体重)×(1.3~1.5)になる。
 つまり、基礎代謝が上昇すると消費エネルギーが増加し、太りにくい体になる。逆に基礎代謝が低いと太りやすくなる。年齢的に何時までも運動が継続できる訳ではないので、基礎代謝を上げる[体質改善]が重要になる。
 
現在の体重が85kgで[21.5×85×1.3≒2370Kal]になる。目標体重を68kgに設定すると[21.5×68×1.3≒1900Kal]になる。つまり、1日の摂取カロリーから最低限[470Kcl(2370-1900)]を削減することにより、目標体重68kgが可能になる。運動による消費カロリーの増加は、エクストラの消費として捕らえる必要がある。
 この摂取カロリー計算から、朝食はコーヒー、フルーツ、ヨーグルト。昼食は低カロリーのライ麦パンのサンドイッチ。夕食は水割り2杯とサラダとおかず(野菜と肉/野菜と魚)中心に炭水化物(ごはん・パスタ・うどんなど)減らす食事を実行した。基本的に食べる量を人並み(2/3程度)に減らし全ての間食を断った。効果は9月末(4週間後)に約5kg減量、10月中旬までに約8kg減量とダイエットは順調に進んだ。

 朝の気温10度以下になり始めた10月半ば過ぎにジムに通うことにした。ジムでは20~30分のジョギング、軽い筋トレ、サウナで2時間の運動メニューを消化するトレーニングを開始した。最初の1ヶ月間は有酸素運動を中心に持続力と減量に努めた。ジムに通い始めて、約2ヶ月が経過した12月半ばに15kg減量し70kg代を保持するようになった。
 この頃にジムのトレーナーより、「有酸素運動中心のメニュから本格的な筋力トレーニングを消化しなければ、減量は限界を迎える」と、指摘される。この指導の下、有酸素運動、筋トレを組み合わせたBody Works Plus Abs」のコア・トレーニングのクラスの受講を始める。
 年明けの今年1月の体重は68~70kgを推移している。理想の体重が65kgであるから、ダイエットによる減量に成功しつつある。これからは、減量よりは筋力を鍛えるトレーニングを重視し筋力を鍛えた上で3kgの減量に挑戦する計画である。
 減量効果の最大の利点は、体の切れがよくなり柔軟性が蘇り始めたことと「集中力」が増したことだろう。副次的効果として、血圧・血糖値が正常値になってきた。

2013年2月15日金曜日

The Pure Golf

The Pure Golf
 2013年のGolf目標をThe Pure Golfに定め、色々な考察を試みたいと考えている。今年は65歳をむかえる節目の年でもあり、30,40歳までの体力に比較したら急降下で衰えている。それでもGolfを続けるのであれば、年齢に相応しいGolfを目指して見ようと思う。

 The Pure Golfのコンセプトは[純粋な美しさ]にある。ゴルフスイングだけではなく、「仕草や作法や姿」などの美しい立ち居振る舞いや身体能力やGolfライフ全般に関わる[ピュアな美しさ]の習得と定義している。

 PGAプロの中で最もスイングが綺麗なのは「Tiger Woods」だろう。

[ピュアな美しさ]を習得するには、正確に「成功の姿をイメージ」するだけでなく、年齢に応じた身体能力の習得にある。闇雲に何百発もボールを打ちネガティブ・イメージを[心/意識/マインド]に植えつける無駄を省くことが、スムーズなオートマチックな美しい動作を作り出すことに繋がる。

 何故、こんなことを考えるようになったのか。これまで病気らしい病気をして来なかったが、年寄り病に掛かり手術を受けたことに起因している。
 昔に比べ集中力も持続力もメンタル面もすべて劣ってきている。実際に、飛距離もスコアも大きな飛躍は期待できなくなった。手術後に体力の回復を待ち「ダイエット」に挑戦した時、体力の衰えを実感した。体力の衰えは自分の想像を超える悲惨な結果であった。
 
 少し前まではプルカートで歩きながらGolfを楽しんでいた。しかし、,6年前頃から電動カートを多用するようになり、ゴルフをするのにそれ程体力の必要性を意識してこなかった。このことが体力の衰えを大きくしたのではないかと思う。

 年齢を重ねると誰でも体にガタが来る。悲しいかな年齢による体力の衰えを認めることなく年齢を重ねてきた。運動と言えば、ゴルフレンジでボールを打つだけにあけくれてきた。何年も練習をしていれば、ボールを打つことの要領の良さが自然に身に付いてくる。今では200球程度打ち込んでも、多少の疲れは覚えるが、汗を欠くほどの運動ではなくフィーリングを維持するだけになっていた。

 ところが、昨年の夏の終わりに「ダイエット」に挑戦した時、30分程度の山道の散歩にも息が上がるほど体力が衰えていた。一念発起し、近くのジョギングコースを走り始めたのだが、僅か1/2マイルを休み休み走るのに15分も掛かる始末だった。
 この体力の衰えは「立ち居振る舞い」にも現れ、歩く姿は前傾姿勢になり、椎間板の弾力性が失われ身長が縮んできた。加齢による身体的な劣化に負けない「サクセスフル・エイジング」を目指す。これがThe Pure Golfの実践と考えている。

2012年6月13日水曜日

[飛ぶアイアン]を正当化する[空気感]


 「飛ぶアイアン」とは、ロフト角の超ストロング化した商品である。欧米社会にはロフト角の超ストロング化を正当化する[空気感]は存在しない。
ところが、日本のゴルフ業界には『ものすごく飛ぶアイアンです』『2番手違う飛距離の飛ぶアイアンと「飛ぶアイアン」をブーム化する[空気感]が流れ、[Gimmick商品]を正当化するマスコミの情報操作が行われている。

日本社会には巧妙に真実を隠蔽し「情報操作」を容認する社会構造がある。「情報操作」が日常化した社会では、「情報の本質」を覆い隠すことに最大限の努力が発揮される。
原発行政の情報もツワーバスの実態も、東電も、事故があって始めて「真の情報」が明らかになる。こうした隠蔽型社会は、利益集団(国家や企業)に都合の悪い情報(関西電力の情報など)は隠蔽され、都合の良い情報だけが巧妙に発信される。恒常的な情報操作がもたらす怖さは国民の思考力・想像力を低下させ、情報隠蔽を無関心にさせ、操作された情報を信じマインドコントロールされることにある。日本の情報操作の構造は、原発再稼動などの政治行政に限らずあらゆる分野に浸透しており、ゴルフ業界も例外ではない。

ゴルフ情報誌の特集記事は全くの虚偽情報ではないが、巧妙に仕組まれた情報操作が背後にある。
高価格シャフトに関しても、本質を考えれば明らかな様にボールがヒットするのは[ドライバーヘッド]であり、[へッドの働き]をサポートするサブ性能でしかない。それにもかかわらず、あたかも、容易に高弾道が実現する[魔力]が高弾道シャフトにあるかのような錯覚情報をゴルフ情報誌は発信し続けている。
将来的にコンピュターチップの内蔵されたシャフトが開発されれば「魔力」を秘めたシャフトも誕生するだろう。現時点で重要なことは、高価格シャフトの宣伝に一喜一憂するのでなく[シャフト選択の基本条件]を検証することだろう。これらのシャフトの基本仕様[フレックス/重量/トルク/キックポイント]を理解した上でスイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定の検証を行うことにより、適正なシャフト選択が可能になる。
新たな流行の[飛ぶアイアン]も全く同様の現象が起きている。特に問題なのは、飛ぶアイアンの[素材とロフト角の精度]にある。
飛ぶアイアンの素材は[Forgedアイアン]が選択されている。ところが、Forgedアイアンの[素材]は欧米と日本では異なるのをご存知だろうか?
日本のForgedアイアンは軟鉄と呼ばれる[軟鋼:マイルドスチール]が使用され、欧米では[カーボンスティール]が使用されている。マイルドスチール(炭素量0.05~0.25%)とカーボンスチール(炭素量0.3%以上)は、鉄の中に含まれている炭素量の差にある。炭素の含有量は「粘りや硬さ」に違いが生じ、低炭素の軟鉄は柔らかく、カーボンスチールは硬い特質がある。これは科学的に検証した時に導き出される結果であり、実際に[手応え感]の違いを感じることの出来る[人間]は限りなくゼロに近い。

如何に、消費者の目を狂わす情報が流されてしているのか。
欧米のForgedアイアンは、角度調整可能な[カーボンスティール鍛造アイアン]のワンタイプだけである。日本のForgedアイアンには、欧米基準角度調整可能な[軟鉄鍛造アイアン]角度調整不可能な[軟鉄鍛造アイアン][軟鉄鋳造アイアン]と、非常に紛らわしい3タイプの商品が流通している。
問題は広告コピーにある。例えば、角度調整不可能な[軟鉄鍛造アイアン]は、アイアン本体は[軟鉄鍛造]であるがクラブヘッドのネック[ホーゼル部]がチタンやステンレス鋼など曲げ加工できない素材が使用されている。メーカーの広告コピーは、あたかも角度調整が可能なような錯覚させる[商品説明]がおこなわれている。こうした情報操作体質に問題がある。

この[素材]の問題は、消費者が情報収集に注意を払えば避けることが出来る。
ところが、[ロフト角の精度]は幾ら注意しても避けることの出来ない問題を含んでいる。ロフト角の問題は、メーカー表示ロフトとリアルロフトの「誤差」にある。
欧米はアイアン・フィティングが普及している為、表示ロフトとリアルロフトの「誤差」があっても大きな問題が発生しない。基本的にライ角度・ロフト角の調整可能な[軟鉄鍛造・ソフトステンレス]を選択することで問題解決に結び付けている。
一方、日本には距離が打ち分けられないアイアン」の問題を抱えている。アイアンロフト角チェックすれば、「ロフト角の差のバラつきが1.5~7度」の誤差があるのが一般化している。
これだけの誤差があり、角度調整が不可能なアイアンを使用すれば[飛距離の安定度]を期待することは出来ない。幾ら[飛ぶアイアン]の宣伝情報を信頼して購入しても、実態が角度調整が不可能な製品であれば「飛ばないアイアン」を手にすることになる。これが「飛ぶアイアン」の実態である。こうした情報に踊らされない為には、欧米同様にアイアン・フィティングの重要性を理解する必要がある。

2012年5月20日日曜日

[飛ぶアイアン]の落とし穴

「飛距離UP」を謳い文句にする商品は何時の時代も評判になる。一昔前に長尺ドライバー(45.5~47インチ)が一世風靡したが、どれだけの人が本当に「飛距離UP」を実感できたのか疑問だが。今では流行も下火となり、45インチ以上の長尺ドライバー愛用者は激減している。
新たな流行は[飛ぶアイアン]だろう。長尺ドライバーの二番煎じのようだが、メーカーの宣伝文句は「プロと同じ番手で飛ばす」「2番手違う飛距離」など、飛距離UPを謳い文句にするアイアン商品が売られている。
欧米市場にも2°ストロング程度のStrongアイアン」が非力な女性・高齢者を対象に販売されている。一方、日本国内は4~6°ストロングの[飛ぶアイアン]は技術革新による[ハイテク商品]として脚光をあびている。欧米ではこうした超ストロング・アイアンは[Gimmick商品]と揶揄されている。
アイアンロフト角
欧米では[Gimmick商品]日本は[ハイテク商品]と評価が2分されるのは何故だろうか?
この欧米と日本のスペックを比較すると明らかなように、5番アイアン[22度]とは、標準3番アイアン[22度]を5番の長さ(短く)にして使用しているのと同様である。当然、5番より3番アイアンの方が飛距離は伸びるだろうが、誰でも3番アイアンを使いこなすのは難しい(5番より)ことは知っている。幾ら短くなっても……。22度の5番アイアンを使いこなすには(短いほうが操作性が良いが)標準3番アイアンを[1インチ短くして]打てるだけのスキルが要求される。2番手異なる[ロフト角]のクラブを販売して[2番手違う飛距離]を謳い文句にする。こうした製品が果たして[ハイテク商品]だろうか?
これこそ[Gimmick商品]だろう。
問題は[情報公開]にある。角度調整が可能な[アイアン製品情報]や[アイアン・フィティング情報]が公開されていない。この情報の閉鎖性が、業界の隠蔽体質を生み出している。適切な[素材]のアイアンを所有すれば解決するだろう。問題は、角度調整可能なアイアンが普及していないことにある。適切な[素材]のアイアンを所有すれば解決する問題である。
欧米の標準アイアン・スペック 

2
3
4
5
6
7
8
9
PW
SW
シャフトの長さ
39.75"
39.25"
38.75"
38.25"
37.75"
37.25"
36.75"
36.75"
36.0"
35.75"
ロフト角度
19°
22°
25°
28°
32°
36°
40°
44°
48°
56°
日本の超ストロングアイアン・スペック

2
3
4
5
6
7
8
9
PW
SW
シャフトの長さ


38.75"
38.25"
37.75"
37.25"
36.75"
36.75"
36.0"
35.75"
ロフト角度


20°
22°
25°
28°
31°
35°
40°
56°


上記リストで明らかなのは、標準の「2~4番ロングアイアン」はストロングアイアンの「4~6番」であり、7番8番がミドル、9番PWがショートアイアンに変っただけである。ピッチングのロフト角が40度というのは、つまり8番アイアンのソールに「P」と刻印してあるのと同じである。ヘッドスピード40m/sであれば、ピッチング飛距離は120ヤード位になり、結果的に110/100ヤードを打つためのアイアンが2本必要になるだろう。

日本のゴルフ関係者から、ゴルフの本質を伝えるメッセージが発信されているだろうか?
[Gimmick商品][ハイテク商品]の認識の違いは[情報の差]にある。欧米は、徹底した[情報公開]が習慣化している。
米国PGAは、タイガー・ウッズのアイアン・スペックに関して「ドライバーの長さやシャフトは変更するが、アイアンは決して変更したことがない。何時も同じシャフト(True Temper Dynamic Gold X-100/S)を使用し、長さ・ロフト角・ライ角度・重量を保っている」
また、フィル・ミケルソンの7番アイアン飛距離情報に関して「快晴の暑い最良のコンディションの日に、175~185ヤードを記録している」と発表している。

PGAスポークスマンは、こうしたプロ選手の情報を公開すると同時に「プロ選手を真似て9番や7番アイアンで特定の飛距離を打つことが重要なのではない。自分自身のスキルに応じ、番手ごと一定の[飛距離を打ち分ける]飛距離を予測し打てるようにすることが重要」とするコメントも発表している。
[ストロング・アイアン]に関しても「ストロング・アイアンを使用するPGAプロは殆ど存在しない。プロの打ち出す常識を超えるアイアン飛距離は、ロフト角度によるモノではなく彼らのスキルによる。90%以上のトーナメントプロは[標準スペックのアイアン]を使用している」と公表。つまり、PGAプロの[ストロング・アイアン]の使用を否定している
日本のメッセージは、メーカーの宣伝文句を容認する「プロ並みの飛距離実現」を煽る報道が見え隠れする。正しい情報を発信する専門家は少なく、ゴルフ雑誌の特集も宣伝を煽る報道だけが踊っている。確かに、Par3ホールで短い番手で打つことに優越感を感じるプレイヤーもいるだろう。それがゴルフの本質と言えるのか、専門家の立場からコメントする人は居ないのか?

欧米にも[4度ストロング]の商品が過去に販売された実績があるが、元々、こうしたアイアン(軽量・ストロング)は非力な女性・高齢者の対象商品として開発されてきた。このような極端なストロングアイアンは、非力な女性ゴルファーや70歳を超えた高齢なシニアプレイヤーには必要かもしれない。しかし流石に[6度ストロング]商品が必要かどうか、問われるべきだろう。
日本のゴルフメディアは真実を伝達する義務を放棄し、売るための報道に加担しているとしか思えない。
ストロング・アイアン仕様

2
3
4
5
6
7
8
9
PW
SW
シャフトの長さ


38.75"
38.25"
37.75"
37.25"
36.75"
36.75"
36.0"
35.75"
ロフト角度


21°
24°
28°
32°
36°
40°
44°
56°
ライ角度


60.0°
60.5°
61.0°
61.5°
62.0°
62.5°
63.0°
64.0°
総重量


355g
360g
365g
370g
380g
385g
390g
395g
アイアンのストロング化は時代の流れであることも事実である。40年間で[4,5度]のストトング化は[フローデザイン]の歴史的な見地からも自然なことだろう。非力な女性ゴルファーや高齢なシニアプレイヤーの為に「4°ストロングアイアン」を否定するモノではない。但し、ストロング・アイアン仕様(5番/24°)になれば、ピッチングとサンドウエッジの間に[48°と50°前後]のギャップを埋めるウエッジ(2本)を加える必要が出てくる。結局、アイアンのセッテイングの本数に差が出てくる訳ではない。
体力に問題のないゴルファーが、「プロ並みの飛距離実現」を目的に超ストロングアイアンを使用するのは[アイアンの基本]を忘れた愚かな行為と言えるだろう。ホール毎に、チャンピオン・ティ、ホワイト・ティ、レディース・ティが存在するのは何故なのか。ハンディキャップが認められているのは何故なのか?
ゴルフの基本を再考する必要がある。長尺ドライバーの「ガラパゴス化」再演を繰り返せば、日本のゴルフは世界に通用しなくなるのでは……。