2010年12月10日金曜日

スライス病の症状の話


スライス病を引き起こすNO.2要因がクラブフェイスの向きである。

弾道の安定度は[スイング軌道とクラブフェイスの向き]が大きな要因を占めている。スイング軌道には、①インサイドイン②インサイドアウト③アウトサイドイン の3パターンがあり、インパクト時のフェースの向きには、①オープン②スクエア③クローズ の3パターンがある。この9パターンの組み合わせが、様々な球筋を決めている。
スライス病の最大要因は、スイング軌道とクラブフェイスの向きの[ブレとズレ]にある。
アメリカの調査結果ではスイング軌道の[5度ブレ]と同様にクラブフェイスの向きにも[5度ズレ]があると報告している。つまり、一般ゴルファーの技量では、5度程度のズレやブレは常時起こると認める必要がある。スイング・パターン(9つの組み合わせ)と[ブレとズレ]の度合いにより4つの症状に大別される。


スライス症状
弾道
スイング軌道
クラブフェイス
プッシュ・スライス
ターゲットラインの右に飛び出し、半ばから右旋回しターゲットの右へ大きく曲がる
極端なインからアウト
オープン
プッシュ
ターゲットラインの右に飛び出し、そのまま右に直進する
極端なインからアウト
スクウェア
ストレート・スライス
ターゲットラインに真っすぐ飛び出し、右に曲がる
スクウェア
オープン
プル・スライス
ターゲットラインの左に飛び出し、半ばから右旋回しターゲット・ラインの右へ大きく曲がる
極端なアウトからイン
オープン

「正しいスイング・プレーンに沿って回転すればボールは常に一定の方向に飛ぶ」とベン・ホーガンは教えている。

スイング・プレーン」をキープすることができればバナナスライスを連発するゴルファーも、必ずフェアウエイをキープすることが可能になる。クラブ制作のエキスパートは、「自分のスイング・プレーンを明確に[イメージ]する」重要性を指導している。
そして、スライス病は「頑固な持病」のようなもの、「発病を抑えるには「メディケーション」としてゴルフテクノロジーの有効活用が必要不可欠」と指摘している。

ゴルフテクノロジーの発達によりスライス病は減少しているのだろうか?残念ながら、スライス病は増加傾向にある。
倉本昌弘プロは、「実はクラブやボールの最新テクノロジーの恩恵を一番受けているのは、アマチュアゴルファーではなくプロ選手です」と語っている。何千人何万人のアマチュアのスキルが向上したところでドライバーが売れる訳ではない。だから、プロゴルファーのスキルに応じた製品開発が行われている。此処に大きな問題が潜んでいる。

最新のゴルフテクノロジーを有効活用すれば、実はスライス病は80%治療が可能]である。
その情報が開示されていないことに問題がある。
ターゲット・ラインに対し直角(スクエア)にスイング出来ればボールは真っ直ぐに飛ぶことになる。つまり、[スイング軌道とクラブフェイスの向き]をコントロールできれば[スライスは発祥]しない訳である。

ゴルフクラブの方向性に最も影響を与えるゴルフテクノロジーが、1次スペック[フェイス角/ライ角/長さ]の調整である。
完成度の高いクラブ制作には[オフセット/重心/クラブMOI/シャフト重量/シャフトトルク/スイングウエイト/グリップサイズ/クラブ総重量]の2次スペックの調整が必要になる。適正に調整された[クラブ長さ/重量/ロフト角]が重要なことは言うまでもないが、[スライス病]を抑制する上で最も重要なのが[フェイス角の調整]である。

フェイス角が適正に調整されれば、ある程度[スイング軌道・ファイスの向き]を矯正する働きが生まれる。
ドライバーのファイス角の調整実験結果がある。ファイス角を[1度]変更することにより、200ヤードの飛距離に対し約4~5ヤードの横方向の動きを矯正することが実証された。平均飛距離200ヤードで[30ヤード]スライスするゴルファーは、[3度クローズド]に変更することにより[50%以上]スライスを緩和できる。適性に調整されたドライバーであれば、ボールスピード/打ち出し角/スピン量への影響を心配する必要は全く無く最終的に方向性が修正され飛距離UPが実現する。

勿論、[フェイス角の調整]テクノロジーだけでスライス病を80%治療できる訳ではない。弾道の安定度に必要な1次スペック、2次スペックを検証しながら、ゴルフテクノロジーを活用し調整する必要がある。
スライス病の症状の難易度の応じた処方箋が必要であるが、一般的な処方箋は以下のようになる。


スライス病処方箋
フェイス角
ライ角
重心
バランス
長さ
総重量
プッシュ・スライス
フックフェイスを強くする
アップライを強くする
重心角を大きくする
軽くする
短くする
軽くする
プッシュ
フックフェイスを強くする
アップライを強くする
重心角を大きくする
軽くする
短くする
軽くする
ストレート・スライス
ややフックフェイスにする
ややアップライにする
重心角を大きくする
やや重くする
短くする
やや重くする
プル・スライス
ややスライスフェイスにする
ややフラットにする
重心角を大きくする
重くする
短くする
重くする


どのような病でも、専門家のアドバイスほど有効なモノはない。




カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。




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