2011年8月16日火曜日

高弾道ドライバーヘッドの仕様2

ドライバー飛距離を最大化する要因は、下記データーで明らかのように、HSと打ち出す角と適正ロフト角にあることが実証されている。
スウィングスピード(HS)
ドライバー平均飛距離
ランチ角
(最適打ち出し角)
スピン量
参考ロフト角
適正ロフト・打ち出し角
による最長飛距離
60 mph (26.82 m/s)
120.4 ヤード
21.78度
1818.1
13~15度
142.5 ヤード
65 mph (29.06 m/s)
127.9 ヤード
20.54度
1860.7
13~15度
163.0 ヤード
70 mph (31.29 m/s)
137.7 ヤード
19.00度
2407.5
12~14度
173.8 ヤード
75 mph (33.53 m/s)
158.6 ヤード
20.60度
1976.8
12~14度
223.4 ヤード
80 mph (35.76 m/s)
180.2 ヤード
18.95度
2157.4
11~13度
221.2 ヤード
85 mph (38.00 m/s)
197.3 ヤード
18.58度
2074.5
11~13度
242.4 ヤード
90 mph (40.23 m/s)
218.3 ヤード
18.43度
2129.5
10~12度
257.3 ヤード
95 mph (42.47 m/s)
232.3 ヤード
17.32度
2009.2
10~12度
274.5 ヤード
100 mph (44.70 m/s)
250.8 ヤード
16.96度
2157.1
9~11度
293.9 ヤード
105 mph (46.94 m/s)
266.7 ヤード
15.97度
2361.9
9~11度
303.5 ヤード
110 mph (49.13 m/s)
277.9 ヤード
15.15度
2504.6
8~10度
320.5 ヤード
115 mph (51.41 m/s)
291.4 ヤード
12.68度
2968.9
8~10度
316.3 ヤード
120 mph (53.64 m/s)
298.2 ヤード
11.15度
3257.0
7~9度
326.85 ヤード
















  ※上記データは Golfsmith.comより引用。アベレージゴルファーのテスト結果をもとにまとめられたデータ。
この飛距離を生み出すのが高弾道である。高弾道生み出すには「ロフト角/打ち出し角」だけでなく、インパクト時の衝撃パワーを最大化する能力と[入射角]をポジティブ(+)にする機能が要求される。この2つの[機能と能力]が最大限に発揮される「ヘッド仕様」が完成した時[高弾道ヘッド]が実現する。
優れたヘッド性能とは、ヘッド重量(m)がありフェィス素材の反発度が高く強固なボディ構造と低重心の高バランスデザインにある。
ニュートンの方程式E=1/2mv2]に基づけば、[質量(m)大きくなり、ヘッドの移動速度(v)が増大すれば、ボールに伝達されるエネルギ量(E)が増大する]ことになる。
重量(m)のあるヘッドを早いスピード(V)でヒットできればエネルギー量が増大することになる。つまり、軽量の長尺ドライバーを振り回しても[飛距離UP]には繋がらない。プロゴルファー並みの運動能力と体力があり、重い長尺ドライバーをヒットすることができれば可能だが……。(PGAプロの平均ドライバー長さ44.5インチ
身長170cmゴルファーの[44インチ/ヘッド200g]適正クラブと長尺クラブ[46インチ/ヘッド180g]を比較した時。長尺によりHSが5%(長さによる平均HS上昇率)上昇しても、軽量ヘッドにより[エネルギー量]は44インチ適正クラブより[5.5%]減少する。44インチ適正クラブのヘッドを[206g]に荷重すると[エネルギー量]は長尺クラブに比べ[10%]上昇する。このエネルギー量の増加が、ボールスピードそして飛距離UPに繋がる。HSが上昇しても[衝撃エネルギー量]が増加しなければ、飛距離UPには繋がらない。これが欧米で注目されている[PTI:スマシュ・ファクター]である。

衝撃パワーSmash Factor)とは、インパクト時にボールに与えられる[衝撃エネルギー]のこと。衝撃パワー率(PTI)はヘッド性能により引き出される。クラブヘッドの理論上の最大PTIは[1.83]になる。(1=100%)ヘッドスピード時速100マイル(44.70 m/s)で振られた時、クラブフェィスから1.83倍のパワーが伝達され、ボールスピードが183マイルで飛行することになる。ヘッド重量調整機能は、ミート率衝撃パワーPTI性能を高める有効な方法とされている。PTI=(1+COR)/(1+m/M) の数式で表される。(m:ゴルフボール質量:45.93gゴルフ規定/M:クラブヘッド質量/COR:反発係数:0.83ゴルフ規定)

欧米のドライバーヘッドは195~202g前後で製造されている。日本の長尺ドライバーヘッドは10g以上軽量になっている。
ドライバーヘッドのスィートスポットは、フェイス面の中心より上部に位置するようにデザインされている。
このスポットでボールをヒットするには、ヘッド底部に重量を集中させ[入射角]をポジティブする性能が要求される。アベレージゴルファーのスキルレベルは、ポジティブに打ち込めて、平均[+1~3度]最大[+4度]が上限とされている。このポジティブに打ち込む働きをスムーズにし、[+3度以上の入射角]を生み出すヘッドが[高弾道ヘッド]である。
日本の[高弾道ヘッド]もヘッド底部に重量を集中させるデザインが施されているが、重要な要素である[ロフト角]が不足し[入射角]をポジティブすることが出来ない欠点を抱えている。


日本仕様の「高弾道ドライバー」は性能に根本的な問題を抱えている。
高弾道ヘッド]に必要な条件[高ロフト角][衝撃パワー/ミート率][高重量][入射角を満たしていない。だから、日本仕様の[高弾道ドライバー]は飛ばないのである。


理論的に飛距離UPする商品開発ではなく、売れる商品を販売する業界体質。売る為には情報隠蔽や情報操作が許される業界常識が存在する。売れない高ロフト商品を開発するより、軽量・低ロフトの長尺ドライバーを売り続ける方が、簡単に高利益が望める訳である。幾ら厚顔無恥なメーカーでも、15度16度の「高ロフトドライバー」の表示を9度で販売することは躊躇するだろう。


こうした売りたい商品を販売する業界体質を容認する大手マスコミによる情報操作のひとつに「試打リポート」がある。「試打リポート」の実態とは……。 

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