2010年11月10日水曜日

スピン量の話

「スピン量」はゴルフボール飛びの第3要因である。

ゴルフボールの「スピン量」は、ボールが飛ぶ原理の[浮揚力]に影響を与える。浮揚力]は、物体が空気に抵抗して浮き上がろうとする圧力。物体の側面を流れる空気の速度差により生じる。

例えば、飛行機の羽根のように上面にカーブがあり下面に比べ長い場合、上面にそって流れる空気の方が速くなり揚力が生じる。同様に、バックスピンの掛かったボールの上部の空気層はより早く流れ、下側の空気層はボールの回転の動きにより流速が落ちる。この時に、下側の方の圧力が上部より大きくなり、上に押し上げる力が働く。これが浮揚力となる。
空中に打ち出されたゴルフボールは飛ぶ方向と逆方向に回転(バックスピン)しながら飛んで行く。この時に生じるバックスピンの回転数が「スピン量」である。バックスピンは、インパクトの瞬間につぶれたボールがクラブフェース面をせり上がっていく時に生じる。このボール回転が空気抵抗(風の影響を受け難い)減らし、ゴルフボールを上昇させる。

スピン量は打ち出し角とボールスピードにより導き出される結果である。
これまで、ボールスピード、打ち出し角が同じであれば、スピン量が低い方が飛距離が伸びるとされ、低スピン2500~2800rpmが最適スピン量とされて来た。



最新のゴルフ研究では、異なる結果が導き出された。
BS:144mph/62.5m/s 3200 rpm=228ヤード]
BS:144mph/62.5m/s 2200 rpm=224ヤード]
従来の理論では、打ち出し角/ボールスピードが同じであればスピン量が低下が飛距離UPに繋がるとされて来た。
ところが、実際には飛距離が4ヤード減少する結果が報告された。

何故だろうか?

BS:144mph/62.5m/s]で打ち出されたボールは[スピン量:2200 rpm]では、充分な[浮揚力]を得ることが出来ないからである。
結果、HS:105mph(BS:155mph/69.28m/s)以下のゴルファーは、よりバックスピンを必要とするハイスピン・ボール。105mph以上のゴルファーはロー・スピンボールが飛距離UPに繋がる。

適正スピン量は、ボールスピードと打ち出し角のバランスで導き出される結果である。

ボールスピード(mph)
打ち出し角(°)
スピン量(RPM)
120/53.64m/s
15-17
3700-4000
130
14-16
3500-3700
140
13-15
3300-3500
150
12.5-14.5
3000-3300
160
12-13.5
2700-3100
170
11-12
2500-2700
180
10-11
2300-2650
190
9-10
2000-2400
200
7.5-9
1900-2100
210
6-8
1700-1950

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
 

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