2010年11月19日金曜日

スイングバランスの話


ゴルフクラブのバランスは、クラブ長さと総重量とスイングウェイトで決められる。
市販の規格品はクラブ長さと総重量が確定しており、スイングウエイトに焦点が当てられている。この為、多くのゴルファーはスイングウエイトを過大に評価する傾向がある。

スイングウエイトの計測は1920年代に計測器が考案された時から始まる。最近はデジタル計測器が使用されているが、原理は約90年前と変わっていない。スイングウエイトはクラブを持った時[重さの調子]を表す。実際のスイングの性能を示す指標ではない。
スイングウエィト(SW)はゴルフクラブの重量の配分を示し、理論的にはA0からF9までのバランスがある。バランス数値は[ヘッド/シャフト/グリップの重量]と[長さ]の組み合わせにより変化する。グリップを重くすればバランスは軽くなり、ヘッドを重くすれば重くなる。つまりSW数値が同じでも、仕様の異なる様々なクラブが存在することになる。

○ドライバー[A]
メタルヘッド+スチールシャフト/総重量362g/シャフト重量120g/43インチ
○ドライバー[B]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量329g/シャフト重量83g/44インチ
○ドライバー[C]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量314g/シャフト重量67g/44.5インチ
○ドライバー[D]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量301g/シャフト重量52g/45インチ

これら4タイプのドライバーは全て平均とされる[SW:D0]に調整されてある。
全く同じSWのクラブに、重いクラブ軽いクラブや短い物長い物など様々なタイプがある。同じ[D0クラブ]でも、力のある人は重いクラブや長いクラブを振れるだろうが、非力な人には難しいだろう。この様にSWは使いやすさや振りやすさを示す数値ではない。
SWは単にクラブを[持った時の重さの調子]を表す記号であり、あくまでも個人的な感覚と好みで選択される[調子]でしかない。
市販の標準ドライバーは[D0~D2]に調整されているが、この数値に重要な意味がある訳ではない。[D0~D2]の調子が合う人もいれば合わない人もいる。D0~D2]に調整されたドライバーが優れた性能とする科学的な根拠は何処にも無い。

プロゴルファーはスイングバランスを重要視する。
スイングバランスの優れたクラブとは、総重量とクラブ長さのバランスが適切に調整されたクラブであり、ゴルフクラブを実際に[振った時の重さ感]である。自分に適したスイングバランスの結果がSW数値である。


プロはヘッドスピードもあり重量感のある調整を好む傾向にあるが、全てのプロが[重い調子]を使用している訳ではない。また、ゴルフクラブのセットの調整の仕方も様々である。例えば、Tim ClarkプロはロングアイアンをC8にショートアイアンをD1に調整。シニアプロのD.A. Weibringは反対にロングアイアンをD1、ショートアイアンをC8に調整している。この様に自分に適したスイングバランスを考えながらクラブ調整を行っている。

実際にクラブを[振った時の重さ感]とは[振りやすさの性能]であり、スイングウエイトでは表示することはできない。[振りやすさの性能]は、ゴルフクラブ全体の慣性モーメント(クラブMOI)で確認することができる。

[振りやすさの性能]は、プロのアドバイスを受けることで簡単に得ることができる。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
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