2010年11月6日土曜日

ミート率の話

「アベレージゴルファーの最大の問題点は、運動能力やスキルではなく、如何すれば良いかの知識にある」
                                          Ben Hogan

バランスの取れた衝撃エネルギー[速さ/衝撃パワー/ミート率]がボールスピードを確定する。
アベレージゴルファーの大半は、[速さ/ヘッドスピード]重視し、[衝撃パワー/ミート率]に注意を払っていない。

ハンデイキャップ10以上のアベレージゴルファーの[ミート率]を検証したデーターがある。
スィートスポットを平均3/4インチ(19mm)外し飛距離175ヤードを記録している。ミスを1/4インチ減少させ[ミート率]1/2インチ(12mm)以内にすることにより、約17.5ヤード加算され193ヤード飛距離を記録した。
ヘッドスピードは1m/秒上昇毎に約2ヤード加算されることが検証されており、アベレージゴルファーのHS上昇率は平均5~7%の検証結果が出ている。(40m/秒→43m/秒→6ヤード加算)

ヘッドスピードの上昇も大事だが、より大事なのが[ミート率]になる。
ミート率を高めるには、スイング軌道の安定と身体能力の向上が必要不可欠であることは言うまでも無い。

ところが、ゴルフクラブの重要さはあまり知られていない。
ゴルフクラブMOI]聞いたことがあるだろうか?

インパクトMOIとは、「慣性モーメント」とのことである。
インパクト時のクラブヘッドの捩れを抑制するのがMOIと理解しているだろう。ところが、ゴルフには2つの慣性モーメントがある。
[ヘッドMOI]と[クラブMOI]である。
[ヘッドMOI]は、インパクト時のクラブヘッドの捩れを抑制する働きである。最近のヘッドデザインはねじれ減少の抑制に加え、ボールが上がりやすく(低重心設計)スイートスポットの拡大(深重心設計)した高慣性モーメントのクラブヘッドが開発されている。

[クラブMOI]は、ゴルフクラブ全体の慣性モーメントを表す、「振りやすさ」を判断する基準である。
[クラブMOI]は長さの2乗に比例し大きくなり、長さが長くなればMOI数値が減少し、ゴルフクラブの[振り難さが増大]することになる。
単純に腕の長さを無視して、同じヘッド重量/シャフト重量/グリップ重量のゴルフクラブの43インチと48インチのドライバーを比較すれば、48インチドライバーは25.9%振り難くさは増大する。つまりゴルフクラブが長くなれば、振り難くなり、ミート率も低減する。

逆に、ゴルフクラブの長さを変えずにクラブヘッドに加重することにより「振りやすさ」は増大する。
標準クラブヘッド(460cc/198g)に1g追加することでMOI数値35gcm2加算され、振りやすさが増大する。
但し、市販品の規格45-46インチのクラブのヘッドに加重したら、振り切れなくなり、スイングを壊す要因になる。クラブを長くしてヘッドに加重することは、慣性モーメント理論に反することである。

ゴルフクラブを短くすることは、振り易くなるだけでなくミート率を向上させる。また、クラブヘッドを重くすることは、スイングの安定度が向上し衝撃パワーの増大に繋がる。結果、飛距離、安定性に優れた最善のクラブとなる。
ゴルフクラブを短くし(43.5-44インチ)クラブヘッドを加重する(200~210g)ことにより、高慣性モーメントのゴルフクラブを制作することが可能になる。
USGAの新ルールでは、クラブMOI数値は5900gcm2+許容範囲100gcm2に定められている)

PGAのゴルフデーターでは、飛距離はスィートスポットを1/2インチミスすれば20%、1/4インチミスすれば10%のロスが’発生するとしている。如何に、スィートスポット(エリア)への[ミート率]が飛距離に影響を与えるか。
オフセンターヒット率の軽減(ミート率を高める)は、ボールスピードの上昇を促すことに繋がる。
因みに、プロゴルファーの平均ミート率は1.45~1.50(約93~96%)と公表されている。一般ゴルファーの平均ミート率は、初心者初級者の[1.1ポイント]から中・上級者の[1.4ポイント]の間(70.5~89.7%)である。

ミート率が1ポイント上昇すれば、約12~14%飛距離が向上する。HSの上昇よりはるかに効率が良い。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。

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