2011年9月26日月曜日

ドライバーシャフト選択[ガイドライン]


ドライバー購入時の検討事項の課題は[価格と適正スぺック]にある。欧米ではゴルフクラブのカスタマイズが常識化している。初心者がゴルフクラブ購入にショップを訪れると、靴を購入する時に足の大きさを測るように床から手首までの長さを計測する。
身長や腕の長さに合わせて適正な長さに調整することからゴルフクラブの選択が始まる。この身体に合わせる「クラブ・フィティング」のコンセプトは、ゴルファーに「適正スペックの知識」を与えるだけでなくゴルフクラブの「選択眼」を養うことに役立っている。

一方、日本のゴルフショップは「クラブ・フィティング」をあまり重視する傾向にない。「クラブ・フィティング」が重要視されないのは、識者であるゴルフ評論家とゴルフ情報誌の責任が大きい。専門家の公平な立場から「クラブ・フィティング」の重要性を説く評論家は少なく、大半の評論家は大手メーカーのお抱え評論家に成り下がり、「販売至上主義」のお先棒を担でいる。販売至上主義の弊害は不適切なスペック商品に疑問を持たないゴルファーの増加にある。ゴルフショップはゴルファーの為の商品販売ではなく、売りたい商品を売る「販売至上主義」にはしり、不適なHS数値やスペックを提示することに罪悪感を感じない「業界体質」を作り出している。ゴルファーは販売至上主義に毒され「何処のブランドにするか」を選択基準にしている。

「クラブ・フィティング」のコンセプトを理解することとドライバーシャフトを選択することは密接な関係にある。
ドライバーが極端に安定しない」悩みを抱えているゴルファーに共通する特徴がある。HSの速度や体力査定に関しては、自己力を良く見たいとする願望が強く、甘い自己査定を行う傾向にある。ドライバー飛距離やHS測定値の申告時に、平均値や最低値ではなく自己最高値を申告するゴルファーが95%を超える。
ゴルフプロファイルを質問すると米国PGAプロ並みのヘッドスピードHS46]を申告する。平均的な体型(170cm/65kg)の平均的な実力のゴルファーが、シャフト選択を間違える要因が此処にある。この数値を基準にシャフトを選択すれば、必ずオーバースペックの「硬いシャフト」を選択することになる。

アマチュアのシャフト選択ミスのNO.1[フレックス/硬さ]である。
ジャック・ニコラウスは、「私はエキストラステッフ(X)を使いこなせたことはない。硬過ぎるシャフトはクラブヘッドの重さを感じることができずに、腕や手だけのスイングになってしまう。私は何時も、柔らか目の(SR)のシャフトを使用している」と語っている。
70歳を超えたジャック・ニコラウスに対抗できるアマチュアが何人居るだろうか。計測数値(46/秒)に踊らされニコラウスほどの実力もスキルも無いのに「見栄や外聞」で振り切れない硬い[Sシャフト]を選択するゴルファーが大半を占めている。こうした愚かな過ちを犯さないためには「冷静な決断力」が求められる。

硬すぎるシャフトは、[A.高ロフト角を使用しても低弾道で飛行し飛距離が伸びない。B.右利きの人)ボールが落ち際に右に切れる球筋になる。C.ショット時の打感はソリッド感に欠けた不快な違和感を伝達する]
反対に柔らか過ぎるシャフトは、[A.あらゆるロフト角で高い弾道で飛行する。最適打ち出し角に近づくことにより飛距離UPに繋がる。B.インパクト時のシャフトのしなり度が大きくドローボールになる確率が高くなる。C.打感はより手応えのある[ソリッド感]を得ることができる]
硬すぎるシャフトより柔らかいシャフトを選択する方が「シャフト選択のミスは軽減」できる。
何故ならば、「硬すぎるシャフトは適切な打ち出し角を阻害する」が、「しなり度の大きいシャフトは曲がり度合いを減少させる」特性があるからである。

「適切なヘッドスピード/実戦飛距離」に基づく[ガイドライン]である。適正度の高い適切なシャフトを選択することにより[飛距離UP・安定度の向上]が期待できる。
シャフト選択ガイドライン
実戦HS数値
平均実戦飛距離
フレックス
重量
トルク
キックポイント/調子
60mph以下
26.82m/秒以下)
150ヤード以下
Lフレックス
49g以下
5.5°以上
Lowキック(先調子)
60~75mph
26.82~33.53)
220ヤード以下
Aフレックス
50~70g
4.5~5.2°
Low/LowMid(先中)
75~90mph
33.53~40.23)
250ヤード以下
Rフレックス
55~77g
3.6~4.6°
Low/LowMid/Mid(中調子)
90~105mph
40.23~46.94)
250ヤード以上
Sフレックス
56~85g
3.0~4.2°
LowMid ~MidHigh(中元)
105~115mph
46.94~51.41)
300ヤード以上
Xフレックス(*)
80g以上
3.0°以下
Mid~Highキック(元調子)

LDA競技者かプロゴルファーレベルの上級者。一般アマチュアは考慮に入れる必要は無い
**一般的な法則は、HS実戦数値とキャリーの実戦飛距離から総合的に判断する。例)平均飛距離が250ヤードを超えても、HS40であれば[Rフレックス]を選択する。
***室内計測値15~20%削減数値を使用する。

シャフト選択最良の方法は、スイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定]に基づくシャフト選択法にある
このシャフト選択[ガイドライン]をベースに、スイング動作の分析と身体能力の査定を行うシャフト選択法を参照することで、適正度の高いシャフトの選択が可能になる。 

2011年9月19日月曜日

ドライバーシャフト選択[基本条件]の話


ドライバーシャフトの仕様は、非常に解り難く、選択基準が不明確に成りやすい特徴がある。
PGAプロのシャフト選択規準は、「飛距離と安定度」を総合的に捕らえている。その為、全ゴルフクラブの「振動数計測」や「MOIマッチング」などのテクノロジーを活用している。
一方、アマチュアのシャフト選択は「飛距離」を求める傾向が強く、曖昧な室内計測のヘッドスピードを基準に選択し、シャフト選択の失敗を繰り返す傾向がある。ひとつには、プロと同等のテクノロジーが簡単に活用できない状況もあるが、大きな要因は「飛距離」に焦点を当てた宣伝広告に毒され、冷静で公平な[選択基準]を持たないためだろう

シャフト選択の基本条件は「シャフト仕様」の理解を深めることにある。シャフトの基本仕様は[フレックス/重量/トルク/キックポイント]がある。バランスの良い適性度の高いシャフトは、スイング動作中のクラブヘッドの位置とインパクト時のクラブフェイスの向き(スクエア)」を去勢する働きがある。反対にゴルファーの適正に合わないシャフトは、スイングが暴れインパクト時にクラブフェイスの向きがスクエアに戻らずに「方向性と弾道」に問題を発生させる。

シャフト選択の適正度は、スイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定 の検証を行いながら、スイングにマッチした[硬さ/重量/捻れ度/調子]を選択することにある

アマチュアのシャフト選択ミスのNO.1[フレックス/硬さ]である。

ジャック・ニコラウスは、「私はエキストラステッフ(X)を使いこなせたことはない。硬過ぎるシャフトはクラブヘッドの重さを感じることができずに、腕や手だけのスイングになってしまう。私は何時も、柔らか目の(SR)のシャフトを使用している」と語っている。
70歳を超えたジャック・ニコラウスに対抗できるアマチュアが何人居るだろうか。計測数値(50m/秒)に踊らされニコラウスほどの実力もスキルも無いのに「見栄や外聞」で振り切れない硬い[Sシャフト]を選択するゴルファーが大半を占めている。こうした愚かな過ちを犯さないためには「冷静な決断力」が求められる。

「硬さ」を示す記号が[フレックス](L/A/R/S/X)だが、直接的、間接的に弾道の安定度と飛距離に影響を与える。フレックスは業界統一された[基準]ではなく、各メーカー毎に異なる「曖昧な基準」であることを理解しておく必要がある。
スムーズなスイング性格であるならば、スイング速度が速くとも「ソフトなフレックス」を選択する。弾道が「左方向」に行くケースは「ハードなフレックス」、「右方向」に行くケースは「ソフトなフレックス」を選択すると好結果が期待できる。

「重量」はドライバーの総重量と安定度に影響を与える。振り切れる範囲でクラブを重くすることが安定度に繋がる。一般的に、重すぎるとダフリや右へのミスが増加し、軽すぎると左へのミスが増え安定度に欠けることになる。ドライバーは長くなれば、軽くなければ振り切れなくなる。つまり、長尺に成れば成るほど安定度が悪くなる。アイアンからドライバーの「重量調整」派密接な関係にあり、アイアンとドライバーに極端な重量差が生じると振り難さが増大する。一定のリズムに基づく、クラブ長さに対する適正な「シャフト重量」の選択が重要に成る。


●[トルク]どれだけ捩れ易いかを示す「数値」である。トルクの数値が大きいほど捩れ易く、数値が小さいほど捩れ難くなる。トルクの数値は球の方向性や曲がり方に影響を与える。
チップ側が軟らかい(トルクが大きい=先調子)のシャフトは球の捕まりが良く、反対にチップ側が硬いシャフトは球の捕まりが悪くなる。これはチップ側のトルクが小さ過ぎて、ダウンスイング時にシャフトが十分に捩れずに、捩れ戻りが少なくなる。結果、スライス系の弾道になる。例えばヘッドスピードが遅いゴルファーが3.0以下の低トルクシャフトを使用すると、ボールは右に曲がることが多くなる。この理由は、シャフトが十分に捩れずに捩れ戻りが少なくなり、フェースが右を向いた状態でインパクトを迎えスライス弾道になる。
スライス系のプレイヤーは、チップ側が軟らかくトルクが大きいシャフトが適し、フック系のプレイヤーは、チップ側が硬くトルクが小さいシャフトが適すことになる。


●[キックポイント]は「しなり度」の調子の性格を表す。調子Low Kick Point)中調子(Middle Kick Point)元調子High Kick Point)があり、弾道の高さに影響を与える。
調子は球のつかまりが良く、どちらかと言うと右が怖いプレイヤーに適した高弾道タイプになる。反対に、元調子は球のつかまりが悪く、どちらかと言うと左が怖いプレイヤーに適している。また、元調子は手元側でしなるため、インパクトロフトが大きくならずに低弾道になる。中調子は、先調子と元調子の中間になる。

これらのシャフトの基本仕様[フレックス/重量/トルク/キックポイント]を理解した上でスイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定 の検証を行うことにより、適正なシャフト選択が可能になる。
但し、幾ら[高性能・高価格シャフト]を使用しても、クラブヘッドのスィートスポットを拡大したり、ロフト角を変えるほどの[魔力]は無いシャフトが適正な[打ち出し角]を作り出すことできない。
軽量シャフトによりヘッドスピードは向上するかもしれないが、[ボールスピード]が上昇するとは限らない。弾道の安定度はシャフト性能より[クラブヘッド]の働きが重要なことは科学的に実証されている。 


シャフト選択の[基本条件]とは、こうしたシャフト性能の限界を理解した上でシャフトを選択することにある。[実戦HS数値と平均実戦飛距離]に基づくシャフト選択の[ガイドライン]とは・・・・・・。


2011年9月5日月曜日

ドライバーヘッド選択の[ガイドライン]

実戦のヘッドスピード計測は、ドライバー選択能力を左右する重要なファクターである。但し、本来はPGAプロの様にヘッドスピードだけでなく、様々な科学的データー(http://www.pgatour.com/r/stats/filter/?4)を検証しながら選択するのがベストである。しかし、アマチュアゴルファーには中々難しい状況にある。


ドライバー仕様の重要度は、[ドライバーヘッドとシャフト選択]に集約される。この仕様選択の[ガイドライン]の役割を果たすのが、ヘッドスピード(HS)である。
クラブ制作のエキスパートが使用する一般的な[ガイドライン]がある。[ガイドライン]と言っても、過去の数十万人のデーターを基にした選択基準である。このデーターを機械的に読み取り計測するのが「ランチモニター」である。

ゴルファーには、HSに応じた[最適スピン量・最適打ち出し角]が存在する。[スピン量・打ち出し角]の最適数値は、特別の「確定数値」が存在する訳ではない。ところが、多くのアマチュアは誤解し、「確定数値」を得るために[HSの上昇]が必要不可欠と考える傾向にある。最適数値はHS数値により変化する。

では、何故、最適数値が重要なのか?
[最適数値]から[適正ロフト角]が確定(想定)できるからである。

HS]によりスピン量・打ち出し角の「最適数値」が変化することとは、ドライバーヘッドの働き(作用)も[HS]により変化することである。[HS速度]に適した[適正ロフト角]が存在する。
つまり、[HS速度]に適さないロフト角のヘッドを使用すれば、ドライバーは「適正な働き]を行わない。結果、スライスや飛距離ダウンが発生する。反対に、[適正ロフト角]の選択により[HS速度差]をカバーすることが可能になる。(最小3~最大7m/秒)つまり、適正ロフト角を手にすれば[HS38m/秒]の平均ゴルファーが強打者ゴルファー[HS45m/秒]の飛距離を達成することを可能にする。

平均ヘッドスピード(HS)
平均打ち出し角(°)
平均バックスピン量
平均飛距離(キャリー)
83.3mph/37m/S
95.8/42.8
16.8
14.9
2199
5592
207
207
101.0/45
85.3/38
14.1
21.3
5801
2689
222
222
102.1/45.6
92.1/41
12.4
13.8
1735
3201
232
233
96.6/43
103.9/46.4
12.2
10.5
2506
3983
248
248
上記のデーターは、HSの遅いゴルファーが[適正打ち出し角・スピン量]を確保すれば充分な飛距離を得ることを実証している。反対に幾らHSが早くとも、[適正な打ち出し角・スピン量]を保てなければ飛距離は伸びないことを実証している。

ヘッドスピード(HS)
平均打ち出し角(°)
平均バックスピン量
平均飛距離(キャリー)
103/46
103
10.5
15.2
3983
3864
248
260
87/39
87
15
15
4918
4004
189
205
上記のデーターは、同じHSのゴルファーでも、[打ち出し角・スピン量]の変化により、飛距離が大きく変化することを実証している。適正スペックのドライバーを選択するかどうかで[飛距離:12~16ヤード]の差が生じる。適正打ち出し角を確定する重要なファクターが[ロフト角]である。HS速度に応じたロフト角を手にすることにより。打ち出し角の適正化が実現する。

ヘッドスピード(HS)
規格品ドライバー飛距離
適正打ち出し角
適正スピン量
適正ロフト角
適正ドライバー最長飛距離
50 mph (22.36 m/s)
87.6 ヤード
21.52
1547.1
1416
114.2 ヤード
55 mph (24.59 m/s)
104.6 ヤード
20.12
1968.2
1416
124.8 ヤード
60 mph (26.82 m/s)
120.4 ヤード
21.78
1818.1
1315
142.5 ヤード
65 mph (29.06 m/s)
127.9 ヤード
20.54
1860.7
1315
163.0 ヤード
70 mph (31.29 m/s)
137.7 ヤード
19.00
2407.5
1214
173.8 ヤード
75 mph (33.53 m/s)
158.6 ヤード
20.60
1976.8
1214
223.4 ヤード
80 mph (35.76 m/s)
180.2 ヤード
18.95
2157.4
1113
221.2 ヤード
85 mph (38.00 m/s)
197.3 ヤード
18.58
2074.5
1113
242.4 ヤード
90 mph (40.23 m/s)
218.3 ヤード
18.43
2129.5
1012
257.3 ヤード
95 mph (42.47 m/s)
232.3 ヤード
17.32
2009.2
1012
274.5 ヤード
100 mph (44.70 m/s)
250.8 ヤード
16.96
2157.1
911
293.9 ヤード
105 mph (46.94 m/s)
266.7 ヤード
15.97
2361.9
911
303.5 ヤード
110 mph (49.13 m/s)
277.9 ヤード
15.15
2504.6
810
320.5 ヤード
115 mph (51.41 m/s)
291.4 ヤード
12.68
2968.9
810
316.3 ヤード
120 mph (53.64 m/s)
298.2 ヤード
11.15
3257.0
79
326.85 ヤード
上記のデーターは、HS速度に応じた「打ち出し角・スピン量」の適正化による[飛距離UP]を表示している。平均的なHS38ゴルファーでも、[打ち出し角・スピン量]を最適化する[ロフト角]を選択することにより、飛距離197.3ヤードから最大飛距離242.4ヤード(45.1ヤードUP)を可能にすることを実証している。不適切なロフト角(11度以下)のドライバーを使用していれば197.3ヤード以上の飛距離は望めないと言うことである。

[ドライバーの性能]は、仕様の[適正化]が実現するモノであり、HS速度ではないことを実証している。
ドライバーヘッドの[仕様の適正化]の次に重要なのが、[シャフトの選択]である。HS速度に応じた[シャフトの選択]とは……。

 
(※上記データは Golfsmith.com より引用。何百人というアベレージゴルファーのテスト結果をもとにまとめられたデータである。)