2011年9月19日月曜日

ドライバーシャフト選択[基本条件]の話


ドライバーシャフトの仕様は、非常に解り難く、選択基準が不明確に成りやすい特徴がある。
PGAプロのシャフト選択規準は、「飛距離と安定度」を総合的に捕らえている。その為、全ゴルフクラブの「振動数計測」や「MOIマッチング」などのテクノロジーを活用している。
一方、アマチュアのシャフト選択は「飛距離」を求める傾向が強く、曖昧な室内計測のヘッドスピードを基準に選択し、シャフト選択の失敗を繰り返す傾向がある。ひとつには、プロと同等のテクノロジーが簡単に活用できない状況もあるが、大きな要因は「飛距離」に焦点を当てた宣伝広告に毒され、冷静で公平な[選択基準]を持たないためだろう

シャフト選択の基本条件は「シャフト仕様」の理解を深めることにある。シャフトの基本仕様は[フレックス/重量/トルク/キックポイント]がある。バランスの良い適性度の高いシャフトは、スイング動作中のクラブヘッドの位置とインパクト時のクラブフェイスの向き(スクエア)」を去勢する働きがある。反対にゴルファーの適正に合わないシャフトは、スイングが暴れインパクト時にクラブフェイスの向きがスクエアに戻らずに「方向性と弾道」に問題を発生させる。

シャフト選択の適正度は、スイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定 の検証を行いながら、スイングにマッチした[硬さ/重量/捻れ度/調子]を選択することにある

アマチュアのシャフト選択ミスのNO.1[フレックス/硬さ]である。

ジャック・ニコラウスは、「私はエキストラステッフ(X)を使いこなせたことはない。硬過ぎるシャフトはクラブヘッドの重さを感じることができずに、腕や手だけのスイングになってしまう。私は何時も、柔らか目の(SR)のシャフトを使用している」と語っている。
70歳を超えたジャック・ニコラウスに対抗できるアマチュアが何人居るだろうか。計測数値(50m/秒)に踊らされニコラウスほどの実力もスキルも無いのに「見栄や外聞」で振り切れない硬い[Sシャフト]を選択するゴルファーが大半を占めている。こうした愚かな過ちを犯さないためには「冷静な決断力」が求められる。

「硬さ」を示す記号が[フレックス](L/A/R/S/X)だが、直接的、間接的に弾道の安定度と飛距離に影響を与える。フレックスは業界統一された[基準]ではなく、各メーカー毎に異なる「曖昧な基準」であることを理解しておく必要がある。
スムーズなスイング性格であるならば、スイング速度が速くとも「ソフトなフレックス」を選択する。弾道が「左方向」に行くケースは「ハードなフレックス」、「右方向」に行くケースは「ソフトなフレックス」を選択すると好結果が期待できる。

「重量」はドライバーの総重量と安定度に影響を与える。振り切れる範囲でクラブを重くすることが安定度に繋がる。一般的に、重すぎるとダフリや右へのミスが増加し、軽すぎると左へのミスが増え安定度に欠けることになる。ドライバーは長くなれば、軽くなければ振り切れなくなる。つまり、長尺に成れば成るほど安定度が悪くなる。アイアンからドライバーの「重量調整」派密接な関係にあり、アイアンとドライバーに極端な重量差が生じると振り難さが増大する。一定のリズムに基づく、クラブ長さに対する適正な「シャフト重量」の選択が重要に成る。


●[トルク]どれだけ捩れ易いかを示す「数値」である。トルクの数値が大きいほど捩れ易く、数値が小さいほど捩れ難くなる。トルクの数値は球の方向性や曲がり方に影響を与える。
チップ側が軟らかい(トルクが大きい=先調子)のシャフトは球の捕まりが良く、反対にチップ側が硬いシャフトは球の捕まりが悪くなる。これはチップ側のトルクが小さ過ぎて、ダウンスイング時にシャフトが十分に捩れずに、捩れ戻りが少なくなる。結果、スライス系の弾道になる。例えばヘッドスピードが遅いゴルファーが3.0以下の低トルクシャフトを使用すると、ボールは右に曲がることが多くなる。この理由は、シャフトが十分に捩れずに捩れ戻りが少なくなり、フェースが右を向いた状態でインパクトを迎えスライス弾道になる。
スライス系のプレイヤーは、チップ側が軟らかくトルクが大きいシャフトが適し、フック系のプレイヤーは、チップ側が硬くトルクが小さいシャフトが適すことになる。


●[キックポイント]は「しなり度」の調子の性格を表す。調子Low Kick Point)中調子(Middle Kick Point)元調子High Kick Point)があり、弾道の高さに影響を与える。
調子は球のつかまりが良く、どちらかと言うと右が怖いプレイヤーに適した高弾道タイプになる。反対に、元調子は球のつかまりが悪く、どちらかと言うと左が怖いプレイヤーに適している。また、元調子は手元側でしなるため、インパクトロフトが大きくならずに低弾道になる。中調子は、先調子と元調子の中間になる。

これらのシャフトの基本仕様[フレックス/重量/トルク/キックポイント]を理解した上でスイング動作の分析・正確なヘッドスピードの計測身体能力の査定 の検証を行うことにより、適正なシャフト選択が可能になる。
但し、幾ら[高性能・高価格シャフト]を使用しても、クラブヘッドのスィートスポットを拡大したり、ロフト角を変えるほどの[魔力]は無いシャフトが適正な[打ち出し角]を作り出すことできない。
軽量シャフトによりヘッドスピードは向上するかもしれないが、[ボールスピード]が上昇するとは限らない。弾道の安定度はシャフト性能より[クラブヘッド]の働きが重要なことは科学的に実証されている。 


シャフト選択の[基本条件]とは、こうしたシャフト性能の限界を理解した上でシャフトを選択することにある。[実戦HS数値と平均実戦飛距離]に基づくシャフト選択の[ガイドライン]とは・・・・・・。


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