2010年12月30日木曜日

スイング・プレーンの話

スライス病NO.4要因は、「腰の回転=スイング動作」にある。
数あるスポーツの中で、GolfとPoloが最も難しいスポーツと言われている。

Golfの難しさのひとつは、スイングの難解さにある。スイングの解り難さとはスイングに正解が無いことにある。野球やバスケットやスキーやテニスであれば経験年数に比例し上達するが、ゴルフは10年続けてもまともにドライバーが打てないこともある。
エキスパートは、「決して練習不足や運動神経が悪いのではなく単に[知識不足]が原因である」と指摘する。

[スイング動作]には2つの基本パターンがあるのをご存知だろうか?

一例を挙げると「腰の回転と体重移動は一体のモーション」と多くのゴルファーは認識している。

ところが、PGAインストラクターJim Hardyは、「腰の回転はOne Planeのモーションであり、体重移動はTwo Planeのモーションである。両方が同時に行われることはスイング・プレーンを破壊することに繋がる」と明確に否定している。
そして、「ゴルファーはこのどちらかの基本パターン(One PlaneとTwo Plane)に分けられる」と指摘している。


スライス病を引き起こす「腰の回転」とは、One PlaneとTwo Planeのスイング動作では異なることになる。自分自身のスイング・プレーン(One PlaneとTwo Plane)を理解せずに、スイング・モーションを矯正してもスライス病を克服することは難しいと言うことである。

近代のゴルフ理論は、50年前にベン・ホーガンの著書「モダン・ゴルフ」に記述した「スイング・プレーン理論」が基本とされている。スイング・プレーンとはスイング中にクラブヘッドが描く仮想面である。安定したスイングとはスイング・プレーンに沿ってスイングされる軌道である。
「正しいスイング・プレーンに沿って回転すればボールは常に一定の方向に飛ぶ」とベン・ホーガンは指導している。
ところが、ベン・ホーガンの唱えた[One Planeスイング]には幾つかの矛盾を抱えていた。

この矛盾に挑んだ男がいる。PGAインストラクターJim Hardy(ジム・ハーディ)である。2005年、長年の研究結果を著書「The Plane Truth for Golfers/ゴルファーに贈るスイング・プレーンの真相」を発表した。矛盾を解明した革新的な「ゴルフバイブル」が誕生した。
ジム・ハーディが「スイング・プレーン理論」の研究に関わったのは、プレーヤー時代に何人ものインストラクターの指導を受けたことが切っ掛けだった。その時「誰もが理論的に正しい指摘をしているが、誰の意見を聞いたら良いか判断できなった」と記述している。

多分、こうしたことは誰もが経験したことがあるだろう。
ジムはスイングの悩みを解決する為、独自にスイング理論の研究を始めた。彼の悩みを解消してくれたのはイギリス人コーチ、ジョン・ジェイコブス氏だった。ジェイコブス氏は、「ゴルフスイングは両腕の上下運動、腰の回転にある。即ち、両腕と身体のふたつの異なったプレーン上に存在する」と指導した。
ある時、ジムはジェイコブス氏にベン・ホーガンのスイングについて質問をした。すると、「ベン・ホーガンだけは二つの要素をひとつのスイング・プレーンに重ねてスイングしている」と指摘した。

ベン・ホーガンのOne Planeスイングとジョン・ジェイコブスのTwo Planeスイングの違いを明確にする研究の日々が始まった。
そして、ひとつの結論に達した。

「ゴルフスイングには、One PlaneとTwo Planeの2つの基本パターンがある」

ジム・ハーディは、「ゴルフスイングは、ベン・ホーガンの唱えた[One Planeスイング]のモダン・スイングとクラシカルな[Two Planeスイング]の2つのスイング・パターンに別けられる。2つのパターンは水と油の関係にあり、スイングを混合することは好結果を生まない。多くのゴルファーがスイングに悩んでいる原因に自分に適さないスイング・パターンを選択していることが挙げられる」と指摘している。

この数年、アメリカではスイング・プレーン議論が活発になり、殆どのゴルファーは2つのパターンの違いを認識している。ところが、日本では[スイング理論]の研究は殆ど行われていない。この為、スイング・パターンに合わせた「ゴルフクラブ選択論」など誤解に基づく、間違ったスイング理論の情報が氾濫している。

簡単に見分ける方法は、両肩を結ぶ線と左腕が同一面のトップは「One Planeスイング」。左腕が両肩を結ぶ線より上の位置にあれば「Two Planeスイング」になる。
自分自身のスイング・パターンを知るには?
クラブを両肩に当てバックスウィングのトップの位置を保持した時、クラブの延長線がボールの向こう1.2m以内のどこか一点を指してればOne Plane。1.2mを遥かに越えている場合はTwo Planeになる」と、バックスウィングのトップの位置で見分ける方法をジムは指導している。

アメリカは日本同様に古典的なTwo Planeスイングのゴルファーが大半を占めている。最近はジュニア、レィデース、ヤング層を中心にOne Plane派が増加傾向にある。これは、One Planeを指導するインストラクターの急増があげられる。
ジムは、「あなたが攻撃的で、強靭な胸郭、腹部、背、肩を持つならばOne Plane派。腕の強さは欠けるが柔軟性があればTwo Plane派。但し、水平な肩の回転と縦の腕の動作を行うにはリズムとテンポとタイミングの感覚が要求される」とアドバイスしている。
インストラクターは、「基本的にシンプルな動作のOne PlaneTwo Planeに比べ、テンポやタイミングが取りやすく覚えやすい利点がある。腰痛などでタイミングに難があるゴルファーにも向いている」と指摘している。

One PlaneとTwo Plane」の違いを認識し、自分のスイング・パターンを知ることが正しいスイングを身につける第一歩である。

もしかしたら、One PlaneとTwo Plane」のスイング・モーションをごちゃ混ぜにしていることが「スライス病」の原因かもしれない。
ジムは、どちらのパターンの方が良いとか、どちらにすべきだとは指導していない。
「どちらのスイングをするにしても、スイングを形成している基本のモーションを理解し、スイングに必要な動きを習得しなければ、いくら練習しても上達はあり得ない。One Planeスイングのゴルファーが一生懸命Two Planeスイングの動きを練習しても、混乱するだけで正しいスイングが身に付くことはない」と指摘している。
タイガー・ウッズは、2004年にTwo Plane派からOne Plane派に転向したプレイヤーのひとり。あなたがTwo Planeの指導を受けながら、タイガーを参考にしていたらスライス病の原因はそこにあるのかもしれない。


昔から、スライス病はスイングとクラブの複合要因とされている。ところが、最近のはやり病のようなスライス病の原因はゴルフクラブにある。特に最近のドライバーを使用してスライス病に悩まされていたら、90%以上の確立で市販品のドライバーが原因である。

正しいスイングを習得するには、適正に調整されたドライバーの入手がN0.1条件である。幾ら正しいスイングの知識を学びスキルを磨いても、不適切なドライバーを使用していてはスライス病の回復は見込めない。

スイングをイメージ]するとは、スイング・プレーンを知ることから始まる。
One Planeのプレイヤーには、ベン・ホーガン、サム・スニード、ヴィジェイ・シングなど。タイガー・ウッドはスイング改造し、Two PlaneからOne Planeに転向したプレイヤーのひとり。Two Planeのプレイヤーには、ジャック・ニクラゥス、コリン・モンゴメリーやトム・ワトソン、デーヴィト・トムズ、ショーン・オハラなどがいる。


カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
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2010年12月24日金曜日

クラブを握る力の話

ゴルフをするには[クラブを振る力]に加え[クラブを握る力]が要求される。[クラブを振る力]は馬鹿力は必要なく、適度なパワーが要求される。同様にクラブを握る[グリップ力]も適度な力で握る必要がある。

「ショートアイアンは強く、クラブが長くなるに従い緩く握る」
「グリップの握る強さは、手の中に小鳥をフワッと握る程度の力」
「蓋をあけた練り歯磨きのチューブを握って中身がブチュッと出ない程度の力」
「スイングしながらヘッドスピードに合わせて意識的にグリップの握力を変える」
と、[グリップ力]は様々に表現される。

一般的に、グリップを握る力は、[グリップ握力]のひとつだけと考えられているが、グリップを握る力は2つある。
意識的に握る[グリップ握力]と反射的(無意識)に発揮される力[把握反射]がある。
「小鳥をフワッと握る程度の力」とか。「中身がブチュッと出ない程度の力」
この力加減を表現しているのは、[グリップ握力]の説明である。

グリップ・プレッシャーは、クラブのリリースとコントロールに大きな影響を及ぼす。強く握り過ぎればクラブのリリース(手首をスムースに返えす)が上手に出来なくなる。軽く握りればコントロールに問題が生じる。つまり、ショットの良し悪しはグリップ・プレッシャーが確定する。ヘッドスピードを上昇させようと[クラブを強く握る]ゴルファーがいるが、実験では「強く握ることでヘッドスピードが上昇した」とする結果は報告されていない。初心者や中級者は出来るだけグリップの力は抜いて、意識を体全体のスイングに集中することが望ましいようだ。

「スイングしながらヘッドスピードに合わせて意識的にグリップの握力を変える」
このスイングの遠心力に応じて、力加減を変化させるパワーが[把握反射]である。「把握反射」とは、生まれつき備わっている筋肉のメカニズムである。生まれたばかりの赤ん坊は両手を握り締めているが、手のひらに触れてやると指を自然に強く握り返す。この反射的に握る力が「把握反射」。

ゴルフ初級者が適度なグリップ力を保てないのは、この「把握反射」が訓練されていないからである。上級者は繰り返し打球しているうちに、反射的(無意識)に筋肉が働くようになり適度なグリップ力を身に付けている。だから、「意識的にグリップの握力を変え、トップでは柔らかくインパクトに向かって強く握る」ことが可能になる。

適度な[グリップ力]が重要なのは、スイングの安定度とショットのパワーを保つことにある。
ゴルフクラブの動きに大きな影響を与えるのが手首関節である。クラブを強く握ると、手首関節の柔軟性が損なわれ腕から肩の筋肉に余分な力が伝達されインパクト直前にクラブがスムーズにリリースされ難くなる。逆に、手首に脱力感(グリップを緩めるような動き)保つことができるようになると、手首関節周りの筋肉のバランスが保たれ適度な[グリップ力]でクラブを振れるようになる。
クラブを振る力とクラブを握る力は相互作用の関係にある。適度な[グリップ力]でクラブを振るには[クラブの重さ]を適切な重さに調整する必要がある。

そして、適度な[グリップ力]を保つのに重要なのが、自分の手のサイズに合ったグリップの選択である。
人間の手の大きさ指の長さは千差万別である。標準的な日本人の手の大きさは6タイプ、指の長さは3タイプに分類されている。標準グリップサイズで合計18タイプの手のサイズをカバーするのは不可能である。自分の手のサイズに合わないグリップが、スライス病を引き起こしている可能性がある。適度な[グリップ力]を保つにには、グリップサイズのカスタマイズを行う必要がある。

グリップサイズカスタマイズは・・・・・・

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2010年12月20日月曜日

グリップ・フィーリングとスライス病の話


スライス病のNO.3要因は「グリップ」にある。
ベン・ホーガンは、
ほぼ正確ではなく「正確」にグリップしなければ成らない」
アーノルド・パーマーは、
「グリップのフィーリングに違和感を感じたら、グリップはトーナメント中でも自分で交換する」
と語っている。
それだけ、グリップ・フィーリングはスイングに影響を与えると言うことだろう。

グリップは、ゴルファーとゴルフクラブを繋ぐ唯一の接点である。グリップの「握る力と握り方」をマスターすることは、ゴルフスキル上達の鍵と言っても過言ではないだろう。グリップに秘められた「不思議なパワー」とは、[感覚を刺激する力にある。

身長・体型が千差万別のように、手のひらに感じる「感触」もも人それぞれ異なる。グリップ・フィーリングとは、単なる「感触」でなく人間の感じる様々な[感覚]のことである。
人間の[感覚]は運動や音楽と密接な関係にある。特に、ゴルフは優れた[感覚]が求められるスポーツである。バックスイングの「速さ」インパクトの「打感」スイング・プレーンも、全てイマジネーションのフィーリングのことである。



スイングの習得とは「感覚」を掴む修練である。グリップ・フィーリングの良し悪しが、スムーズなスイング生み出したり、スライス病に繋がる。実際に、グリップの握り方でスライス病が治ったゴルファーは沢山いる。
エキスパートは、ゴルフは人間の五感に加え[平衡感覚/運動感覚/空間認知感覚]が要求されると指摘している。この「研ぎ澄まされた感覚」培うことができた時、スライス病が完治する。

グリップ選択の条件は[安心感・安定感]にある。この[感覚]を見極めるのが[視覚と触角]である。
クラブを構えた時クラブを握った時に、心理的に「握りやすさ」を感じる「感覚」はデザインや色彩により大きく異なる。グリップの安定感はラウンド・グリップやリブ・グリップなど形状により、人に与える「感覚」は異なる。色彩的に[黒]に安心感を覚える人「硬さ」を感じる人。カラフルなグリップやデザイン・グリップに安心感を感じる人など、人間の[視覚感覚]は千差万別である。

人間が最初に発達させる感覚が「触覚」と言われている。
グリップはクラブの中で唯一ゴルファーの手に触れる最も重要なパーツである。[触角]は[グリップ力と握り方]に大きく影響を与える。
指先で触れたり手のひらで握った時に「心地良さ」を感じさせるのも、不快感を感じるのも「触覚」である。
脳科学者は、「脳と触覚は密接な繋がりを持っている。幼児期にすべすべした生地をいつも触っているのは、肌触りの良さを感じることによって「安心感」が得られることにある。皮膚の下には4種類の触覚感知神経があり、指が触れた時に小さな振動を感じ取り感覚を判断している。また、触覚を感じるには、1秒間に5cmメートルの速度で指先で触るのがベスト。このの速さで振れることにより脳に信号を送り、適切な感覚を感知できる」と指摘している。

人間の心理は「微妙な感覚」に左右される特徴がある。
グリップを選択する時、指先の「触感覚」を研ぎ澄まし自分の感覚を確認する必要がある。
自分の手の感触に合わない素材や安心感を感じないグリップを手にすると、指先や手のひらや肩や腕に余分な力が入り、スムーズなスイングを妨げる要因になる。また、サイズが合わずに細過ぎるとインパクト時にクラブが捻れ、クラブフェイスががクローズドになる。反対にグリップが太過ぎると、力が入らずにオフセンターのインパクトとなり、クラブフェイスがオープンになる。

グリップ素材には天然ゴム、合成ゴム製品、コードの入り製品(フルかハーフ)から、新素材のコンパウンド、密度の異なる素材を組み合わせたデュアル・デンシィティ、トーション・コントロールなどが商品化されている。グリップ素材を選択する時、肌触り[滑らかな感触/柔らかいが固い感触/柔らかでしっとりとした感触/少しざらざらした感触]を見極めながら、自分の[感覚]に合った素材を選ぶことが大事である。
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正しいグリップの選択は[視覚と触角]の感覚を研ぎ澄まし、グリップ素材と形状を選択し、最終的に自分の手の大きさに合わせたグリップのカスタマイズを行う必要がある。

専門家のアドバイスほど有効なモノはない。

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2010年12月10日金曜日

スライス病の症状の話


スライス病を引き起こすNO.2要因がクラブフェイスの向きである。

弾道の安定度は[スイング軌道とクラブフェイスの向き]が大きな要因を占めている。スイング軌道には、①インサイドイン②インサイドアウト③アウトサイドイン の3パターンがあり、インパクト時のフェースの向きには、①オープン②スクエア③クローズ の3パターンがある。この9パターンの組み合わせが、様々な球筋を決めている。
スライス病の最大要因は、スイング軌道とクラブフェイスの向きの[ブレとズレ]にある。
アメリカの調査結果ではスイング軌道の[5度ブレ]と同様にクラブフェイスの向きにも[5度ズレ]があると報告している。つまり、一般ゴルファーの技量では、5度程度のズレやブレは常時起こると認める必要がある。スイング・パターン(9つの組み合わせ)と[ブレとズレ]の度合いにより4つの症状に大別される。


スライス症状
弾道
スイング軌道
クラブフェイス
プッシュ・スライス
ターゲットラインの右に飛び出し、半ばから右旋回しターゲットの右へ大きく曲がる
極端なインからアウト
オープン
プッシュ
ターゲットラインの右に飛び出し、そのまま右に直進する
極端なインからアウト
スクウェア
ストレート・スライス
ターゲットラインに真っすぐ飛び出し、右に曲がる
スクウェア
オープン
プル・スライス
ターゲットラインの左に飛び出し、半ばから右旋回しターゲット・ラインの右へ大きく曲がる
極端なアウトからイン
オープン

「正しいスイング・プレーンに沿って回転すればボールは常に一定の方向に飛ぶ」とベン・ホーガンは教えている。

スイング・プレーン」をキープすることができればバナナスライスを連発するゴルファーも、必ずフェアウエイをキープすることが可能になる。クラブ制作のエキスパートは、「自分のスイング・プレーンを明確に[イメージ]する」重要性を指導している。
そして、スライス病は「頑固な持病」のようなもの、「発病を抑えるには「メディケーション」としてゴルフテクノロジーの有効活用が必要不可欠」と指摘している。

ゴルフテクノロジーの発達によりスライス病は減少しているのだろうか?残念ながら、スライス病は増加傾向にある。
倉本昌弘プロは、「実はクラブやボールの最新テクノロジーの恩恵を一番受けているのは、アマチュアゴルファーではなくプロ選手です」と語っている。何千人何万人のアマチュアのスキルが向上したところでドライバーが売れる訳ではない。だから、プロゴルファーのスキルに応じた製品開発が行われている。此処に大きな問題が潜んでいる。

最新のゴルフテクノロジーを有効活用すれば、実はスライス病は80%治療が可能]である。
その情報が開示されていないことに問題がある。
ターゲット・ラインに対し直角(スクエア)にスイング出来ればボールは真っ直ぐに飛ぶことになる。つまり、[スイング軌道とクラブフェイスの向き]をコントロールできれば[スライスは発祥]しない訳である。

ゴルフクラブの方向性に最も影響を与えるゴルフテクノロジーが、1次スペック[フェイス角/ライ角/長さ]の調整である。
完成度の高いクラブ制作には[オフセット/重心/クラブMOI/シャフト重量/シャフトトルク/スイングウエイト/グリップサイズ/クラブ総重量]の2次スペックの調整が必要になる。適正に調整された[クラブ長さ/重量/ロフト角]が重要なことは言うまでもないが、[スライス病]を抑制する上で最も重要なのが[フェイス角の調整]である。

フェイス角が適正に調整されれば、ある程度[スイング軌道・ファイスの向き]を矯正する働きが生まれる。
ドライバーのファイス角の調整実験結果がある。ファイス角を[1度]変更することにより、200ヤードの飛距離に対し約4~5ヤードの横方向の動きを矯正することが実証された。平均飛距離200ヤードで[30ヤード]スライスするゴルファーは、[3度クローズド]に変更することにより[50%以上]スライスを緩和できる。適性に調整されたドライバーであれば、ボールスピード/打ち出し角/スピン量への影響を心配する必要は全く無く最終的に方向性が修正され飛距離UPが実現する。

勿論、[フェイス角の調整]テクノロジーだけでスライス病を80%治療できる訳ではない。弾道の安定度に必要な1次スペック、2次スペックを検証しながら、ゴルフテクノロジーを活用し調整する必要がある。
スライス病の症状の難易度の応じた処方箋が必要であるが、一般的な処方箋は以下のようになる。


スライス病処方箋
フェイス角
ライ角
重心
バランス
長さ
総重量
プッシュ・スライス
フックフェイスを強くする
アップライを強くする
重心角を大きくする
軽くする
短くする
軽くする
プッシュ
フックフェイスを強くする
アップライを強くする
重心角を大きくする
軽くする
短くする
軽くする
ストレート・スライス
ややフックフェイスにする
ややアップライにする
重心角を大きくする
やや重くする
短くする
やや重くする
プル・スライス
ややスライスフェイスにする
ややフラットにする
重心角を大きくする
重くする
短くする
重くする


どのような病でも、専門家のアドバイスほど有効なモノはない。




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2010年12月6日月曜日

スライス病とスイング軌道の話


スライス病の症状を引き起こす要因はスイングとクラブの[複合要因]である。
特に主な複合要因を挙げると5つある。それぞれの要因が複雑に絡み合いながら、様々なスライス病を引き起こしている。NO.1要因:スイング軌道NO.2要因:クラブフェイスの向きNO.3要因:グリップNO.4要因:腰の回転NO.5要因:クラブヘッドの小さなスイートスポット である。

弾道の安定度は[スイング軌道とクラブフェイスの向き]が大きな要因を占めている。
スイング軌道とはターゲット・ラインに対するクラブヘッドのスイングモーションである。クラブフェイスの向きとはインパクト時のターゲット・ラインに対するクラブフェイスの角度である。ターゲット・ラインに対し直角(スクエア)にスイング出来ればボールは真っ直ぐに飛ぶ。つまり、[スイング軌道とクラブフェイスの向き]をコントロールできれば問題ない訳である。ところが、スイングモーションをコントロールするには、相当に高い運動能力とスキルが要求される。また、ターゲット・ラインもスイング軌道も目に見えないイマジネーション・ラインである。ここにスイングの難しさがある。

スイング軌道を単にクラブヘッドが移動する軌跡と捉えずに[ひとつのプレーン(仮想面)]と定義義付けたのが「近代ゴルフの父」ベン・ホーガンである。ホーガンの唱えた「スイング・プレーン理論」が近代ゴルフの基本とされ、スイング・プレーンを非常に繊細で壊れやすい「ガラス板」の仮想面として意識することを教えている。

ベン・ホーガンは、「スイング軌道にはひとつの正しいプレーンがある。正しいスイング・プレーンに沿って回転すればボールは常に一定の方向に飛ぶ。首の付け根(第七頚椎)とボールを結んだラインがスイング軌道の方向を示すベースラインである。スイング・プレーンはこのベースライン上に形成される繊細なガラス板である。このプレーンから外れるとガラスを壊すことになる」と指導している。
このガラス面を破壊する軌道が「スライス病」を引き起こす。

「正しいスイング・プレーンに沿って回転すればボールは常に一定の方向に飛ぶ」
これがベン・ホーガンの唱えた[ワン・プレーン・スイング]である。
スイング・プレーン」をキープすることができればバナナスライスを連発するゴルファーも、必ずフェアウエイをキープすることが可能になる。

スイング軌道には、①インサイドイン②インサイドアウト③アウトサイドインの3種類がある。
スイング・プレーンから外れアウトサイドからインに入るのがアウトサイド・イン軌道、インサイドからアウトサイドに抜けるのがインサイド・アウト軌道になる。インサイド・インの正確なスイング軌道を習得すれば「スライス病」の発祥を抑えることが可能になる。



ベン・ホーガンは、「最も自然なスイングの動きは身体の軸を中心にクラブを振ることである。身体の回転(捻転運動)に合わせてバックスイングでインサイドに上がり、インサイドにフィニシュする[軌道]が理想になる。この時に、“真っ直ぐなインパクトゾーン”が作られる。真っ直ぐなインパクトゾーンを作ることが、ストレートな弾道を生み出す」と指導している。

そして、クラブ制作のエキスパートは、「スイング中にクラブヘッドがスイング・プレーンに沿って動けばショットは安定する。その為には、先ず、自分のスイング・プレーンを[イメージ]することである殆どのゴルファーは明確に[イメージ]することなくスイングしている。そしてスイングをサポートするクラブを手にすることが大事である」と語っている。

アマチュアゴルファーは、この「スイングをサポートするクラブ」と言う観念が希薄である。
アメリカの調査結果は「アマチュアゴルファーのスイング軌道は平均5度の[ブレ]がある」と報告している。

エキスパートは、「週末ゴルファーの技量では、5度程度のブレは常時起こる。ブレを最小限に抑える有効な手段がラブ長さと重さの調整である」と指摘している。そして、「スライスを抑制するにはメディケーションとして、ゴルフ・テクノロジーを有効活用する必要がある。スライス病の症状が判明すれば、80%は治療できる」と断言している。

あなたは、スライス病を予防する処方箋(メディケーション)を必要として居ないだろうか?
どのような病でも、専門家のアドバイスほど有効なモノはない。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。