2010年11月30日火曜日

ドライバーのロフト角と高弾道の話


ドライバーの飛距離UPは[ロフト角]が決める。ドライバー飛距離を最大化する[高弾道]は適切なロフト角と入射角が生み出す

ゴルファーに理想の弾道を訊ねると[中弾道]と答える人が未だに多数いる。1980年代の古いゴルフ理論を信奉し中弾道が飛距離を生み出すと信じているようだ。弾道の高さは個人的な好みもある。飛距離UPを望まないならば[中弾道]を目指せば良いだろう。悪質なのは、「飛距離の出る中弾道ドライバー」と、最新情報を知らない消費者に商品販売するメーカーである。

21世紀のゴルフ理論は[高弾道]である。最新のゴルフ理論に基づき開発製造されたドライバーヘッドは[高弾道]を生み出す様にデザインされている。ドライバーヘッドの能力を最大限に活かすならば[高弾道]を理想弾道するべきだろう。
高弾道ドライバー

タイガー・ウッズのティショットを目の前で見たことがある。飛距離に驚かされたが、もっと驚かされたのは弾道の高さである。他のプロの
1.5倍から2倍の高さを飛行し、滞空時間が長く中々落下してこなかった。
 内野と内野の短い距離のキャッチボールはライナー(中弾道)で投げても相手にとどくが、外野と内野のキャッチボールの時は放物線を描くように投げあう。
遠くにボールを投げる(あるいは打つ)時はある程度の角度のある放物線を描いて飛んで行く方が遠くに飛ぶ。遠くに飛ばすには、高さのある放物線を描く方が滞空時間が長くなり遠くに飛ぶ。この高度のある放物線が[高弾道]である。

[高弾道]と「吹き上がりの球筋」は、全く性質の異なる弾道である。
[高弾道]は、打ち出し角が大きく、尚且つバックスピン量が少ない弾道である。高く上がるがアゲンストの影響を受けにくく、キャリーとランの出る弾道である。
「吹き上がりの球筋」は、低く飛び出し先の方でホップする。一瞬力強く見えるが、実はバックスピン量が必要以上に多く、空気抵抗の大きい効率の悪い球筋である。

先ず、自分自身の入射角を見極める必要がある。
どのように、見極めれば良いのだろうか?
ロフト角11度以下のドライバーを使用しているゴルファーの弾道が、中弾道から低弾道であればあなたはネガティブ(-:下方角)に打ち込んでいる。ネガティブに打ち込めば充分な打ち出し角を得ることができずに飛距離が伸びない。反対に、ポジティブ(+:上方角)に打ち込むことができれば高弾道になり飛距離が伸びる。

入射角をポジティブに打ち込むスイングは、ゴルファーの身体能力やスイング・スキルにより確定する。例えば、LDA競技者はロフト角5度6度のドライバーを使用しポジティブに打ち込み、打ち出し角12度~15度を打ち出している。アベレージゴルファーのスキルレベルは、ポジティブに打ち込めて、平均[+1~3度]最大[+4度]が上限とされている。

この身体能力とスキル不足を補うのがロフト角の選択である。

ヘッドスピード(40m/秒)
-3度/下方角 (キャリー)
+3度/上方角 (キャリー)
Loft 8

203ヤード
Loft 9
185ヤード
207ヤード
Loft  10
190ヤード
210ヤード
Loft  11
196ヤード
211ヤード
Loft 12
202ヤード
212ヤード
Loft 14
206ヤード
212ヤード
Loft 16
208ヤード


このリストを見れば明らかなように、[-3度タイプ]のゴルファーはロフト角9度(低弾道)からロフト角14度(高弾道)に切り替えることにより、飛距離が185ヤードから206ヤードに伸ばすことが可能になる。
何故か? 何故ならば、高ロフト角により、浮遊力と打ち出し角が増大するからである。

全く同じHSでも、[+3度タイプ]は[-3度タイプ]に比較して、ポジティブな入射角による高弾道が飛距離UPに結びついていることが分かる。また、高弾道(ロフト角11・12度)は中弾道(ロフト角8度)と比較すると約10ヤード飛距離が伸びている。
つまり、[HS40m/秒]の[下方角タイプ]も[上方角タイプ]も、低弾道や中弾道よりも高弾道が飛距離UPに結びつくことが実証されている。[下方角タイプ]は12~14度、[上方角タイプ]は11~12度が適正ロフト角となる

平均男性ゴルファー(38~42m/秒)は基本的に[ロフト角11~14度]が適正ロフト角になる。アマチュアゴルファーの60%強は、ヘッドスピード40m/秒の[下方角タイプ]とされている。
市販の低ロフトドライバー(8~11度)に飛距離UPを望んでも好結果を得ることは不可能である。飛距離UPの実現を求めるならば、カスタムクラブを検討する時期に来ているといえる。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。

2010年11月19日金曜日

スイングバランスの話


ゴルフクラブのバランスは、クラブ長さと総重量とスイングウェイトで決められる。
市販の規格品はクラブ長さと総重量が確定しており、スイングウエイトに焦点が当てられている。この為、多くのゴルファーはスイングウエイトを過大に評価する傾向がある。

スイングウエイトの計測は1920年代に計測器が考案された時から始まる。最近はデジタル計測器が使用されているが、原理は約90年前と変わっていない。スイングウエイトはクラブを持った時[重さの調子]を表す。実際のスイングの性能を示す指標ではない。
スイングウエィト(SW)はゴルフクラブの重量の配分を示し、理論的にはA0からF9までのバランスがある。バランス数値は[ヘッド/シャフト/グリップの重量]と[長さ]の組み合わせにより変化する。グリップを重くすればバランスは軽くなり、ヘッドを重くすれば重くなる。つまりSW数値が同じでも、仕様の異なる様々なクラブが存在することになる。

○ドライバー[A]
メタルヘッド+スチールシャフト/総重量362g/シャフト重量120g/43インチ
○ドライバー[B]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量329g/シャフト重量83g/44インチ
○ドライバー[C]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量314g/シャフト重量67g/44.5インチ
○ドライバー[D]
チタンヘッド+カーボンシャフト/総重量301g/シャフト重量52g/45インチ

これら4タイプのドライバーは全て平均とされる[SW:D0]に調整されてある。
全く同じSWのクラブに、重いクラブ軽いクラブや短い物長い物など様々なタイプがある。同じ[D0クラブ]でも、力のある人は重いクラブや長いクラブを振れるだろうが、非力な人には難しいだろう。この様にSWは使いやすさや振りやすさを示す数値ではない。
SWは単にクラブを[持った時の重さの調子]を表す記号であり、あくまでも個人的な感覚と好みで選択される[調子]でしかない。
市販の標準ドライバーは[D0~D2]に調整されているが、この数値に重要な意味がある訳ではない。[D0~D2]の調子が合う人もいれば合わない人もいる。D0~D2]に調整されたドライバーが優れた性能とする科学的な根拠は何処にも無い。

プロゴルファーはスイングバランスを重要視する。
スイングバランスの優れたクラブとは、総重量とクラブ長さのバランスが適切に調整されたクラブであり、ゴルフクラブを実際に[振った時の重さ感]である。自分に適したスイングバランスの結果がSW数値である。


プロはヘッドスピードもあり重量感のある調整を好む傾向にあるが、全てのプロが[重い調子]を使用している訳ではない。また、ゴルフクラブのセットの調整の仕方も様々である。例えば、Tim ClarkプロはロングアイアンをC8にショートアイアンをD1に調整。シニアプロのD.A. Weibringは反対にロングアイアンをD1、ショートアイアンをC8に調整している。この様に自分に適したスイングバランスを考えながらクラブ調整を行っている。

実際にクラブを[振った時の重さ感]とは[振りやすさの性能]であり、スイングウエイトでは表示することはできない。[振りやすさの性能]は、ゴルフクラブ全体の慣性モーメント(クラブMOI)で確認することができる。

[振りやすさの性能]は、プロのアドバイスを受けることで簡単に得ることができる。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
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2010年11月15日月曜日

ゴルフクラブの長さと重さの話


ゴルフクラブには不可思議な「未知の世界」が存在する。
「飛距離UPに繋がる長尺ドライバー」
この未知の世界に「光」を与える天の声が伝えられた時、ゴルファーはすがるように商品を手にする。
天の声に日本のゴルファーは魅了されているようだ。

この科学技術の発達した現代社会に、ゴルフクラブの「未知の世界」は存在するのだろうか?

実は、物理学の観点からは約320年前にゴルフクラブの謎は解明されている。

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       ニュートンの運動エネルギーの法則E=1/2mv2]である。
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これをゴルフクラブに置き換えると、クラブヘッドの質量(/m)とクラブヘッドの移動速度(v)が増大すれば、ボールに伝達されるエネルギー量(E)が増大する。質量(m)と移動速度(v)がエネルギー量(E)を確定する要素である。ボールの飛距離はどれだけのエネルギー量がボールに伝達されるかで決まる。
既に、ゴルファーは重いスティールから軽いグラファイに換えたことにより、クラブヘッドの加重とスイングスピード上昇の恩恵を得ている。

衝撃エネルギーの伝達理論]である。
ボールに伝達されるエネルギーは、クラブヘッドの重さとヘッドスピード(HS)のバランスが確定する。
優れた身体能力があり、ヘッドが重く長いゴルフクラブを振り切ることができれば最大のエネルギーを得ることが可能だ。但し、スイング軌道がブレることなくロボットのように正確なスイングができるならばと言う条件が付く。クラブが長くなるとスイングアークが大きくなり、負荷が掛かり正確なスイング軌道を描くことができない。
この為、長尺クラブ(45~46.5インチ)はドライバーヘッドを軽く(180~185g)している。

通常のドライバーヘッドは195~202g前後で製造されている。長尺クラブは10g以上軽量になっている。
身長170cmゴルファーの[44インチ/ヘッド200g]適正クラブと長尺クラブ[46インチ/ヘッド180g]を比較した時。長尺によりHSが5%(長さによる平均HS上昇率)上昇しても、軽量ヘッドにより[エネルギー量]は44インチ適正クラブより[5.5%]減少する。
44インチ適正クラブのヘッドを[206g]に荷重すると[エネルギー量]は長尺クラブに比べ[10%]上昇する。このエネルギー量の増加が、ボールスピードそして飛距離UPに繋がる。HSが上昇しても[衝撃エネルギー量]が増加しなければ、飛距離UPには繋がらない。
これが欧米で注目されているPTI:スマシュ・ファクター]である。

米国PGAに片山晋呉プロとタイガーがラウンドした時。タイガーは44.25インチのドライバー、片山プロはタイガーが「面白いクラブ」と評した45.5インチのドライバーを使用した。
ラウンド中片山プロは一度もタイガーをオーバードライブすることなく終わった。日本メーカーの[長尺コンセプト]が、米国のゴルフ理論[スマシュ・ファクター]に敗れた瞬間だった。

ゴルフクラブの[長さと重さのバランス]は[PTI]に大きな影響を与える。
根拠も無く何となく、長さや重さを決めるのはスイングをくずす最大の要因である。
ゴルフクラブの[長さと重さ]はゴルファーの体型だけでなく、身体能力/スキルレベルに応じて決定されなければならない。
ゴルフクラブが短すぎればボールの上を叩くミスを犯す。反対に、クラブが長過ぎたり重過ぎれば、振り遅れやスイング軌道にブレが生じ命中率が悪くなる。軽すぎれば適度なエネルギー量を得ることができない。

適切なゴルフクラブの長さと重さが、ゴルフ上達の第一歩である。
本当のゴルフクラブの長さとは、[背骨~腕~シャフト~ヘッド]までの合計寸法(約150cm)になる。ゴルフクラブを1インチ長くした所で、その恩恵を得るほどの効果は期待できない。
 
カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
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2010年11月12日金曜日

重さの話


「飛ばない」「曲がる」「振りにくい」
ゴルフクラブに対する不満トップ3である。

この要因は[パワー]にある。
ボールを投げる力、バットを振る力、グローブを握る力が無ければ野球は出来ない。同様に、ゴルフは[クラブを振る力、握る力]が無ければ、幾ら非力な女性でもゴルフをプレイすることは出来ない。クラブヘッドは、軽いモノより重いモノの方が[パワー]を感じると共にスイング軌道が安定する。軽いハンマーで釘を打つより重いハンマーの方が正確に釘を狙えるしパワーも生まれる。

「適切なタイミングで的確にボールをヒットする適度なパワー」
これが「ボールを遠くに飛ばす必要なパワー」である。
 ところが多くのゴルファーは、「遠くにボールを飛ばす=速くクラブを振る」と誤解している。

先ず、この間違った[イメージ/知識]を捨て去ることが大事である。

何故、馬鹿力でクラブをブンブン振り回してしまうのだろうか?

最大の要因は、スイング感覚に合った[重さ]を感じないことにある。

インパクトでボールをヒットした時「パワー」が伝達されていないと感じる。この情報は[脳]に記憶され、次のスイングの時「パワー不足」の情報を発信する。この脳から情報が身体に伝達され、力任せにクラブを振り回してしまう。


人間の身体は、スイングに応じた[適正な重さを感じる能力]を備えている。スイングウエイトが1,2ポイントすれても、その差を感じる人は殆どいない。ところが、重量5gの差は殆どの人が感じる。中には1~3gの差を感じる人も居る。
[重量]は[長さ]についで、スイングに影響を与える重要な要素である。

パワーを伝達しないゴルフクラブ。これがブンブン振り回す90%以上の要因である。

最近のドライバーの平均重量は280g~350g前後である。
例えば、力のあるゴルファーに280gの軽いドライバーを与えると、インパクト時に手応え感(パワー)を感じない。この為、[脳]の指令により手応え感を求めてクラブを振り回す。ヘッドスピードは上昇するが不安定なスイングになり、飛距離ロスを招くことになる。逆に、非力な女性ゴルファーに350gのドライバーを与えても、重すぎてパワー(衝撃度)は生じない。この様にゴルフクラブは重過ぎても、軽すぎても好結果は得られない。ゴルファーは、自分自身が持つパワー以上(以下)のクラブを使用しても正しいスイングを身に付けることはできない。

パワーを伝達しないゴルフクラブとは、正しく重量調整が行われていないクラブである。
正しく重量調整されたクラブとは、スイング感覚に合った[重さ]を感じるクラブ。
[長さと重量とクラブバランス]に調整し、クラブ全体慣性モーメントの調和が取れたクラブを制作することが、ゴルフクラブの不満を解消する最良の方法である。

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2010年11月10日水曜日

スピン量の話

「スピン量」はゴルフボール飛びの第3要因である。

ゴルフボールの「スピン量」は、ボールが飛ぶ原理の[浮揚力]に影響を与える。浮揚力]は、物体が空気に抵抗して浮き上がろうとする圧力。物体の側面を流れる空気の速度差により生じる。

例えば、飛行機の羽根のように上面にカーブがあり下面に比べ長い場合、上面にそって流れる空気の方が速くなり揚力が生じる。同様に、バックスピンの掛かったボールの上部の空気層はより早く流れ、下側の空気層はボールの回転の動きにより流速が落ちる。この時に、下側の方の圧力が上部より大きくなり、上に押し上げる力が働く。これが浮揚力となる。
空中に打ち出されたゴルフボールは飛ぶ方向と逆方向に回転(バックスピン)しながら飛んで行く。この時に生じるバックスピンの回転数が「スピン量」である。バックスピンは、インパクトの瞬間につぶれたボールがクラブフェース面をせり上がっていく時に生じる。このボール回転が空気抵抗(風の影響を受け難い)減らし、ゴルフボールを上昇させる。

スピン量は打ち出し角とボールスピードにより導き出される結果である。
これまで、ボールスピード、打ち出し角が同じであれば、スピン量が低い方が飛距離が伸びるとされ、低スピン2500~2800rpmが最適スピン量とされて来た。



最新のゴルフ研究では、異なる結果が導き出された。
BS:144mph/62.5m/s 3200 rpm=228ヤード]
BS:144mph/62.5m/s 2200 rpm=224ヤード]
従来の理論では、打ち出し角/ボールスピードが同じであればスピン量が低下が飛距離UPに繋がるとされて来た。
ところが、実際には飛距離が4ヤード減少する結果が報告された。

何故だろうか?

BS:144mph/62.5m/s]で打ち出されたボールは[スピン量:2200 rpm]では、充分な[浮揚力]を得ることが出来ないからである。
結果、HS:105mph(BS:155mph/69.28m/s)以下のゴルファーは、よりバックスピンを必要とするハイスピン・ボール。105mph以上のゴルファーはロー・スピンボールが飛距離UPに繋がる。

適正スピン量は、ボールスピードと打ち出し角のバランスで導き出される結果である。

ボールスピード(mph)
打ち出し角(°)
スピン量(RPM)
120/53.64m/s
15-17
3700-4000
130
14-16
3500-3700
140
13-15
3300-3500
150
12.5-14.5
3000-3300
160
12-13.5
2700-3100
170
11-12
2500-2700
180
10-11
2300-2650
190
9-10
2000-2400
200
7.5-9
1900-2100
210
6-8
1700-1950

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
 

2010年11月6日土曜日

ミート率の話

「アベレージゴルファーの最大の問題点は、運動能力やスキルではなく、如何すれば良いかの知識にある」
                                          Ben Hogan

バランスの取れた衝撃エネルギー[速さ/衝撃パワー/ミート率]がボールスピードを確定する。
アベレージゴルファーの大半は、[速さ/ヘッドスピード]重視し、[衝撃パワー/ミート率]に注意を払っていない。

ハンデイキャップ10以上のアベレージゴルファーの[ミート率]を検証したデーターがある。
スィートスポットを平均3/4インチ(19mm)外し飛距離175ヤードを記録している。ミスを1/4インチ減少させ[ミート率]1/2インチ(12mm)以内にすることにより、約17.5ヤード加算され193ヤード飛距離を記録した。
ヘッドスピードは1m/秒上昇毎に約2ヤード加算されることが検証されており、アベレージゴルファーのHS上昇率は平均5~7%の検証結果が出ている。(40m/秒→43m/秒→6ヤード加算)

ヘッドスピードの上昇も大事だが、より大事なのが[ミート率]になる。
ミート率を高めるには、スイング軌道の安定と身体能力の向上が必要不可欠であることは言うまでも無い。

ところが、ゴルフクラブの重要さはあまり知られていない。
ゴルフクラブMOI]聞いたことがあるだろうか?

インパクトMOIとは、「慣性モーメント」とのことである。
インパクト時のクラブヘッドの捩れを抑制するのがMOIと理解しているだろう。ところが、ゴルフには2つの慣性モーメントがある。
[ヘッドMOI]と[クラブMOI]である。
[ヘッドMOI]は、インパクト時のクラブヘッドの捩れを抑制する働きである。最近のヘッドデザインはねじれ減少の抑制に加え、ボールが上がりやすく(低重心設計)スイートスポットの拡大(深重心設計)した高慣性モーメントのクラブヘッドが開発されている。

[クラブMOI]は、ゴルフクラブ全体の慣性モーメントを表す、「振りやすさ」を判断する基準である。
[クラブMOI]は長さの2乗に比例し大きくなり、長さが長くなればMOI数値が減少し、ゴルフクラブの[振り難さが増大]することになる。
単純に腕の長さを無視して、同じヘッド重量/シャフト重量/グリップ重量のゴルフクラブの43インチと48インチのドライバーを比較すれば、48インチドライバーは25.9%振り難くさは増大する。つまりゴルフクラブが長くなれば、振り難くなり、ミート率も低減する。

逆に、ゴルフクラブの長さを変えずにクラブヘッドに加重することにより「振りやすさ」は増大する。
標準クラブヘッド(460cc/198g)に1g追加することでMOI数値35gcm2加算され、振りやすさが増大する。
但し、市販品の規格45-46インチのクラブのヘッドに加重したら、振り切れなくなり、スイングを壊す要因になる。クラブを長くしてヘッドに加重することは、慣性モーメント理論に反することである。

ゴルフクラブを短くすることは、振り易くなるだけでなくミート率を向上させる。また、クラブヘッドを重くすることは、スイングの安定度が向上し衝撃パワーの増大に繋がる。結果、飛距離、安定性に優れた最善のクラブとなる。
ゴルフクラブを短くし(43.5-44インチ)クラブヘッドを加重する(200~210g)ことにより、高慣性モーメントのゴルフクラブを制作することが可能になる。
USGAの新ルールでは、クラブMOI数値は5900gcm2+許容範囲100gcm2に定められている)

PGAのゴルフデーターでは、飛距離はスィートスポットを1/2インチミスすれば20%、1/4インチミスすれば10%のロスが’発生するとしている。如何に、スィートスポット(エリア)への[ミート率]が飛距離に影響を与えるか。
オフセンターヒット率の軽減(ミート率を高める)は、ボールスピードの上昇を促すことに繋がる。
因みに、プロゴルファーの平均ミート率は1.45~1.50(約93~96%)と公表されている。一般ゴルファーの平均ミート率は、初心者初級者の[1.1ポイント]から中・上級者の[1.4ポイント]の間(70.5~89.7%)である。

ミート率が1ポイント上昇すれば、約12~14%飛距離が向上する。HSの上昇よりはるかに効率が良い。

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2010年11月3日水曜日

筋肉疲労の話


ゴルフを生かすも殺すも、筋肉の柔軟性にある。

インストラクターは、ゴルフ初心者に肩の力を抜いて「リラックスしてスイングする」ように指導する。
誰でも「リラックスしてスイングする」ことを学び、ゴルフを始めるといっても過言ではない。

「筋肉が緊張し続ければ、神経組織によって繋がれている「脳」も疲れ全身に疲労を感じる。まずは筋肉に疲労を蓄積しないことが、リラクゼーション(relaxation)には大事である」
(ジャック・サンドワイズ博士:UCLA医学校元学校長。クリニカル・バイオフィードバック・プログラム研究の第一人者)
また、博士は「不安感や緊張感に心の中が支配されると、自然に危険に対処する作用が生れ、筋肉を緊張させる働きを人間の身体は持っている。マインドをリラックスさせることにより、ストレスや不安感から開放され、"calmness(冷静さ)"を保つことが可能になる」と語っている。

プロゴルファーは誰でも、リラックする術を持っている。

[リラックスの天使が肩に舞い降りる]これがイメージできた時、緊張感が解けリラックしたスイングが出来る。と、聞いたことがある。
スイングをミスする時99%マインドが緊張状態にある。マインドをリラックスさせるには筋肉をリラックスさせることが大事である。

肩に力が入ったりダウンスイングで力が入るのは、緊張状態に身体が無意識に反応しているからだ。2オンが狙える第2打、140ヤードを左に外し……。誰でも一度や二度は経験したことがあるだろう。

筋肉疲労は、身体だけでなくマインドにも疲労感をもたらす。
筋肉を伸縮せずに、固定した状態(デスクワークなど)を長時間保つと、血液の中に疲労物質が溜まり血行が悪くなり、筋肉への酸素や栄養素が不足する。この状態が繰り返されると筋肉が疲労する」
筋肉のコリが悪化すると、筋肉の柔軟性が損なわれ、身体が硬くなり、動きが悪くなり、バランスが悪くなる。つまりゴルフのスイングの良し悪しに大きな影響を与えることになる。プロのスポーツ選手がマッサージを欠かさないのは、疲労回復を心掛ける体調管理にある。
http://www.customclubusa.com/modules/wordpress/index.php?p=82

入浴している時、その暖かさから自然に身体も心もリラックスした状態にある。この時は筋肉も柔らかくなり、不安や緊張が感じ難い状態にある。
サンドワイズ博士は、「緊張していると感じたら、身体の筋肉を1つずつリラックスさせると良いでしょう。顔や肩から始め腰、太ももと順に下へ降りて手の先、足の先まで意識的にリラックスさせる。特に、あご、舌、声帯は無意識にマインドに敏感に反応しますから、[腹式呼吸法]を取り入れることでマインドの沈静化に繋がる」と、記述している。

筋肉に疲労を蓄積させないことと、緊張を緩和させるリラクゼーションのテクニック(緩和法)を身に付けることが、ゴルフでミスを引き起こさない最良の方法である。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。