2010年10月29日金曜日

打ち出し角の話

メーカーのゴルフクラブの宣伝文句には、必ず[高打ち出し角][スピン量の低減]のコピーが踊っている。
「メーカーの宣伝文句に騙されるな!!第1弾」で[打ち出し角]に関して簡単に報告した。

この[打ち出し角]は100%メーカーの宣伝文句に使用され、YamahaやDunlopやBridgstoneやMizunoの広告には、新構造のクラブヘッドが「高打ち出し角を実現」と謳っている。

打ち出し角のメカニズムはあまり知られていないようだ。

[打ち出し角]のメカニズムは、ゴルフクラブのヘッドにボールに当たった時に得られる[発射角度]である。[発射角度]は物体を打ち出す時に必要とされる[角度]である。[発射角度]は、スイングスピード、スイング軌道、クラブヘッドの角度(ロフト角)が複雑に絡み合いながら形成される。



最新デザインのクラブヘッドを使用しても、スイング軌道にブレが生じれば最適な[打ち出し角]は形成されないし、スイング軌道にブレが無くても、スイングスピードが遅かったり、クラブヘッドの角度が不十分であれば最適な[打ち出し角]は形成されない。

クラブヘッド構造に於いて、[重心深度・重心距離]はクラブヘッドのバランスに影響を与える重要な要素である。然しながら、現状の商品開発は小さなクラブヘッドの中で[数ミリの差]を競っている。つまりスイング軌道を[数ミリのブレ]で抑えるスキルが無ければ、最新構造の高性能クラブヘッドから恩恵を得ることはできない。

では、スイング軌道が平均10~20mmブレる一般ゴルファーは如何すれば良いのだろうか?

洗練された宣伝文句は、最新のクラブヘッドを購入さえすれば「高打ち出し角が実現する」と錯覚させる。
然しながら、クラブヘッドが[打ち出し角]を作り出す訳ではない。スイングスピード、スイング軌道、クラブヘッドのロフト角が[打ち出し角]を形成する。

最新構造の高性能クラブヘッドの宣伝文句に惑わされない強い心を持つことが大事である。
スイング軌道が不安定なゴルファーは、スイング軌道の安定度が増すクラブ。スイングスピードに難があるゴルファーはロフトのあるクラブ。自分の欠点を補うゴルフクラブを手にすることが大事である。

スイングスピードを上げるために長尺クラブをブンブン振り回したり、自分のスキルに合わないロフト角のクラブを使用しても、スイング軌道がブレれたりインパクトのタイミングが崩れるだけだ。結果、最適な[打ち出し角]を得ることは出来ない。
バランスの良いゴルフクラブを使用すれば、自然にインパクトのタイミングが取れ最適な[打ち出し角]を得ることができる。
バランスの良いゴルフクラブとは、ゴルファーの体型・スキルにマッチした[重さ・長さ・バランス・シャフト]が調整されたクラブである。最適な[打ち出し角]を得る第一歩は、冷静に自分自身の実力を知ることから始まる。

ヘッドスピード計測器の数値に惑わされない、強い[GolfMind]を育むことである。

アメリカの正確なドライバー飛距離の算出法
1.最低3~5ラウンドの平均を計算する。
2.ワンラウンドのドライバー打数(パー3を除く)
3.キャリー飛距離を算出する。(トータル飛距離から夏季は15ヤード/冬季は10ヤード削減する)
4.ドライバー使用回数(打数)で合計飛距離を割る。(OBの時はOB毎に1打加算する)
5.よりシビアな飛距離を計算する時は、OB毎に200ヤードマイナスし合計ホール数で割る。
(*1ラウンド合計飛距離2800ヤードの時14打で割る(200ヤード)。OBが2回の時は16打で割る(175ヤード)。OB(200ヤード削減)の時は(2800-400)÷14=171.4ヤード)
実戦ラウンドの平均飛距離が200ヤードであれば、実戦のヘッドスピードは[39.0m秒]前後になる。当然、ヘッドスピード[45m秒]と[39.0m秒]では、クラブスペックは大きく異なる。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。


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