2010年10月19日火曜日

ドライバー長さの話 2

ゴルフクラブは規格品を選ぶ時代から、クラブをカスタマイズする時代である。



身長が高く腕が短い人、身長は低いが腕が長い人。
100人居れば100人異なり、千人居れば千人異なり、人の体型は千差万別。
市販の標準クラブがマッチする人は非常に少なく。大半のゴルファーは、自分の体型に合わないクラブを使用している。
市販品のドライバーは、45~46.5インチ前後の長尺品が主流に販売されている。
何故か。長尺ドライバーが飛ぶから。



ヘッドスピード



これは神話である。
ゴルフの帝王ジャック・ニコラウスのドライバーは42.75インチである。
タイガー・ウッズのドライバーは44.5インチである。



飛距離UPの基本3要素は科学的に検証されている。
(1)ボールの初速度(2)打ち出し角(3)スピン量。
この3要素のバランスの取れたゴルフクラブが飛距離UPを実現する。

ドライバーの長尺化の背景にあるのが、[ボールの初速度のUP]にある。
何故か。
ボールの初速度のUPさせるには、ヘッドスピードの上昇が最も効率が良い。ところが、ヘッドスピードUPにはゴルファーの体格、柔軟性、運動能力が大きく影響し、容易に達成するのが困難である。そこで、クラブを長くして[遠心力]を高めることにより、HSを上げる方法が考案された。その結果がドライバーの長尺化である。確かに、理論的には[遠心力]を高め。HSの上昇は可能である。

ところが、ここに大きな落とし穴が潜んでいる。
長尺クラブを使用してHSは上昇したが、ミスショットが増加し方向性が悪くなり、飛距離は全然伸びず、スイングを崩してしまった。80%以上のゴルファーがこのような結果に終わっている。

何故、多くのゴルファーが騙され、長尺ドライバーを購入するのか?
長尺ドライバーを振り回すとヘッドスピードが上がり、如何にも飛ぶような錯覚にさせられるからだ。HS計測機の数値が上がり、HSが高くなれば誰でも気分は良い。そこにつけこんだ商法である。

ヘッドスピードの速さが飛距離に結び付くような宣伝や記述を多く見かけるが、HSはボールスピードを高める一要因でしかない。室内計測と実戦とでは環境が大きく異なる。このことを常に意識する必要がある。

短い物より長いものを振り回す方が遠心力は増す。ゴルフクラブはHSを競うための道具ではない、ゴルフボールを打つための道具である。長い物を振り回す時、重量のある物は振り回し難い。そこで軽い物を振り回すことになる。軽い物をブンブン振り回せば遠心力は増す。しかし、長い棒の先に軽い物(ヘッド)を付けて振り回しても、軌道は安定せずスイング軌道が大きくブレ命中率は低下する。また、軽い物がボールに当たっても、衝撃度は生まれない。結果ボールが飛ばない。

つまり、遠心力でHSを上昇させることは可能だが、飛距離UPに繋がらない。


ドライバーを適正な長さに調整し[ミート率]を高める。これが飛距離UPの条件である。

ジャスティン・レナードはアマチュアゴルファーに、
「何を基準に、クラブを選んでいるのか?」尋ねるようにしている。
大半のゴルファーは、「プロが使っているのをテレビで見た」と、回答する。
レナードは、
「貴方にあった正しいヘッドやシャフトを選択し、正しいフィティングしなさい。ゴルフはそれでなくても難しいのに、貴方は自分でゴルフを難しくしている。ゴルフを優しくする最良の方法がクラブフィティング」と、何時も彼らに教えている。

ゴルフクラブの適正長さは、身長と床から手首までの長さを計測して判定する。
手首までの長さは、ゴルフ靴(普通の靴)を履き、固い床の上に立ち、肩と腕をリラックスした状態にして身体の横に伸ばす。
そして、手のひらと腕の交点(手首)から床までの長さを計測する。この長さ(床までの距離)と身長が、正しいクラブの長さを選択する基準になる。

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