2010年10月20日水曜日

日本のゴルフクラブ・メーカーとは?

本の大手ブランドメーカー品は、円高ドル安なのにアメリカ国内では日本販売価格の約1/3程度で販売されている。
Dunlop XX10 SP500/$199.00)

日本メーカー品が高価なのは、高額商品を消費者が求めているからである。現に、米国内で販売されているUS仕様の日本製品とUS製品と価格差は全く無くむしろ低価格で販売されている。

日本の大手メーカーが米国市場進出に本格的に着手したのは1970年代後半からである。当時、無名の日本製品が米国製品に対抗する為「低価格路線」を打ち出した。ゴルフクラブを低価格を実現したのがOEM生産方式である。コンポーネントの大量生産と加工賃(組み立て加工費)の低減化が実現し、日本製品が米国市場に浸透していった。日本製品の市場占有率が高まると、USメーカーも同様にOEM生産方式に切り替え「低価格戦争」に参入していった。こうして大手ゴルフクラブ・メーカーはアッセンブリー(組み立て)会社に変身した。

現在、チタン・クラブヘッドの製造会社は中国国内に4社(5社?)あり、この4社が日本とアメリカの全クラブヘッドの95%を供給している。これまでクラブメーカーはローコスト生産拠点を求め、日本、台湾そして中国に生産拠点を移して来た。
テーラーメイドやヤマハやダンロップ各社のクラブヘッドは同一工場で生産されている可能があり、各メーカーが宣伝するほど商品に大差はない。

日本製品のほうが、品質が優れている。
これは神話である。

クラブヘッドを大量生産するには、製品制度の許容範囲を大きくしなければならない欠点がある。9度、10度のドライバーヘッドを商品化すれば、製品精度の許容範囲は[±0.5度]以内でなければならない。ところが、大手メーカー品を実測すると、製品誤差に2度以上あるのは珍しくない。試打した時に9度も11度も、それ程差を感じないのは製品精度に問題があるからである。

名目上、大手メーカーが商品開発した製品をOEM会社が製造している形になっているが、実際にはOEM会社の生産技術に基づいた商品開発が行われている。多くのケースは、OEM会社が開発した試作品の中からメーカーが商品を選択し商品化している。
幾らユニークなクラブヘッドを日本の大手メーカー側が提案した所で、OEM会社の機械設備や生産技術を無視して生産することは出来ない。新商品の開発はOEM会社の技術力の範囲内で行われているのが現状である。

中国国内のOEM会社の機械設備や生産技術に大きな差は無く。また、同一工場で生産された製品の品質に差は生じない。。結局、中国国内の工場で生産されるクラブヘッドは、日米の大手メーカー品も中堅メーカー品も、生産原価や製品の品質・性能は殆ど変わらない。
最終販売価格が高いのはマーケティングに掛けるコストの差である。そして、日本のメーカー品が高価なのは、高価な製品を購入する消費者が存在するからである。

神話に惑わされて高価な製品を手にするのは賢い消費者では無い。
製品精度が高く、信頼できるゴルフクラブを制作するのがカスタムクラブの工房である。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。

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