2010年10月21日木曜日

日本仕様・US仕様のゴルフクラブ

日米の大手メーカーは、日本仕様・US仕様のゴルフクラブを制作販売している。
日本仕様・US仕様の違いを尋ねると、多くのゴルファーはUS仕様はライ角度がアップライト、グリップが重く、シャフトが重く硬く、日本人には合わない」と答える。
http://www.customclubusa.com/modules/golf/index.php?id=6

ゴルフ雑誌などからこうした情報は発信されており、その発信源はゴルフ評論家と称する人達の意見である。
日本のゴルフ評論家は外国人に対し偏った固定観念を強く持っている人が多く。アメリカ人=体格良く力がある」と言うステレオタイプのイメージを描いて雑誌などに記事を記載している。

こうした掲載記事を読んだ読者は、ゴルフ評論家の固定観念に感化され「US仕様はハードである」と信じ込んでいる。
ゴルフ評論家と称する知識人は、ゴルフに関する知識は豊富かもしれないが、文化人類学の権威でもなく外国生活の経験があるわけでもない。アメリカ人=体格良く力がある」と言う漠然としたイメージで語っているだけである。

アメリカは多民族多人種国家であるから多品種の商品が販売されている。確かに、中にはこうしたハードスペックの商品も販売されているが、当然限られた商品だけが販売されている訳ではない。

アメリカ人にも身長が高く腕が短い人、身長は低いが腕が長い人からシニアや非力な人などあらゆるタイプのゴルファーがいる。100人居れば100人異なり、千人居れば千人異なり、人の体型は千差万別である。
これは日本人もアメリカ人も変わらない。アメリカに住む、東南アジア系や南米系アメリカ人など日本人より体格の劣る人は沢山いる。
「ゴルフ評論家=文化人」の固定観念は持たない方が良い。偏った考え方に感化されやすくなる。

大体、日本仕様とかUS仕様とか。分類すること自体が偏った考え方である。
ゴルフクラブに人種があるわけでない。ゴルフクラブは人間が使用する物である。
規格品に身体を合わせることを評論すること自体に問題がある。
新しいスーツを購入する時、似合うか似合わないか意見を聞くことはあるだろうが。自分の体型に合うかどうか、評論してもらうだろうか。こうした評論家の意見に左右されて購入する人は少ないと思う。市販の規格品クラブを購入することは、ゴルフクラブに身体を合わせることである。

道具に拘り何十万円もする高額なクラブを購入する傾向があるが、本当に拘らなければならないのは自分の能力に見合った道具を手にすることである。例えば、熟練した大工はのこぎりで綺麗に木を切るスキルがあるが、素人がのこぎりを手にしても真っ直ぐに切ることは難しい。道具(のこぎり)に合わせてスキルを磨いても、中々習得できない。熟練するまでには相当の時間が掛かる。
ところが、自分に合った電ノコを手に入れれば誰でも真っ直ぐに切ることが出来るようになる。勿論使いこなすには、それなりの修練が必要なのは言うまでもない。

元来、ゴルフクラブとはゴルファーのスキル/身体能力に合わせ制作するカスタム商品である。
身体に合わない道具で幾ら修練を積んでもスキルは身に付かない。自分の身体に合ったゴルフクラブを手にすることがゴルフ上達の第一歩である。
プロの評論家であるならば、日本仕様・US仕様の是非を語るのではなく、どのようにカスタマイズするかアドバイスするべきであろう。ゴルフクラブに辛辣な意見を吐く評論家が、お抱え運転手のようにメーカー契約しているケースもある。ゴルフ評論家の意見など、聞き流すくらいが丁度良い。

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。

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