2010年10月27日水曜日

マーケティング企業:ゴルフクラブ・メーカー

ゴルフクラブ・メーカーは1970年代の組立会社から進化し、マーケティング企業に変貌を遂げている。
日本企業は低価格戦争で米国市場に参入した。ところが、US企業の[ブランド力・マーケティング力]に劣り、市場占有率が拡大せずに低迷を続けていた。1980年代後半から、積極的に米国のマーケティング戦略を学び、製造業から販売企業に変身していった。

1990年代に入ると、ゴルフクラブは商品イメージで販売する時代になった。
ゴルフクラブは、アパレルと同様にファション商品となり[流行やブランド]が商品価値を判断する基準になった。それまで1年2年掛けて来た商品開発は短期化し、マーケティングの良し悪しが[商品価値]を決める時代に突入した。
優しいクラブヘッド

ゴルフクラブのマーケティングに必要不可欠なのがプロゴルファーである。
PGAプロであっても、上位にランクインしていなければ収入の安定を図るのは難しい。そこで、プロはメーカー契約の獲得に躍起になる。メーカー契約は、年間使用するゴルフクラブだけでなくクラブの調整からゴルフシューズ、衣類、ボールまでゴルフ用品を無償で支給される。優勝に恵まれないプロはメーカー契約に飛びつくことになる。
これがツアー使用率No.1の実態である。

[商品価値]を高め、商品販売に重要なのが、優勝可能な有名プロ選手との契約である。
大手メーカーの商品開発は契約プロを優勝させる為に行われ、一般ゴルファーを対象に行われていない。
何故ならばプロが優勝すればゴルフクラブは売れるが、アマチュアが上達してもクラブは売れないからである。
有名プロの契約金は年間数億ドルを超え、ツワー優勝すれば優勝賞金より高額のボーナスがメーカーから支給される。〇〇トーナメント優勝の宣伝文句は、綿密に計画されたマーケティング戦略である。

自動車レースのレース車と市販車の性能が異なるように、プロの使用するクラブと市販品には大きな性能差がある。プロのゴルフクラブは、プロのスキル合わせクラブフィティングされた特注カスタムクラブである。ロフト角・フェイス角・ライ角・重量などの製品仕様の許容範囲は、限りなく[±ゼロ]に調整されている。



一方、市販品の許容範囲は[±1~2度]と甘いだけでなく、ロフト角の不当表示商品が市場に氾濫している。
不当表示商法は、大手メーカーのドライバー販売に良く使われるマーケティング手法である。ドライバーのロフト表示を12度以上にすると商品が売れなくなる為、ロフト角の不当表示が行われている。
多くのゴルファーが好む(8.5度~10度)の製品は、実際には飛ばない難しいクラブである。正確なロフト角のドライバーを販売したのでは、飛ばないクレーム商品となる。そこで、飛びやすいように表示よりロフト角を[+2度]前後大きくした商品を販売している。

元々、大手メーカーのゴルフクラブはプロを対称に開発したクラブである。
プロに近いシングルハンディのゴルファーには恩恵を与えるが、ハンディ12以上のアマチュアゴルファーに適した優しいクラブでは無い。
その証拠に、アマチュアゴルファーがドライバーを何度買い換えても飛距離も方向性も殆ど差が現れない。



神話に惑わされて高価な製品を手にするのは賢い消費者では無い。
製品精度が高く、信頼できるゴルフクラブを制作するのがカスタムクラブの工房である。


カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。
http://www.customclubusa.com/

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