2010年10月22日金曜日

メーカーの宣伝文句に騙されるな!!

Dunlop[XX10新ゼクシオ ドライバー] 販売価格¥84,000.00/US国内販売価格$229.99
キャッチコピー:
打ち出し角をさらに高くする、新テクノロジー「オート・パワーインパクト」で高く、強く突き進む大きな飛びを実現。
ポイント
クラブヘッド:深重心設計により、高い打ち出し角を実現
シャフト:先端部分を軟らかくした最新シャフト
メーカーの検証データー
ロフト9度/リアルロフト10.5度 ロフト10.5度/リアルロフト12度

 
打ち出し角:ホント&うそ 
ホント:
打ち出し角とは[飛びの3要素]のひとつ。
[打ち出し角]とは[発射角度]のこと。[発射角度]は、物体を打ち出す時に必要とされる[角度]。物体を遠くに飛行させるには、ある程度の角度で発射する必要がある。遠くにボールを投げる(あるいは打つ)時、ある程度の角度のある放物線を描いて飛んで行く方が遠くに飛ぶ。この放物線を描く角度が[打ち出し角]に相当する。

では、何度の角度で打ち出されると、遠くに飛ぶのか?

ラグビーやサッカーは、ボールのキックされる角度(発射角度)は45度が最長飛距離を出す理想的な角度とされている。また、弾道学に於いても45度以上の高射角で打ち出される砲弾が最長飛距離に到達する。
最新ゴルフ科学データは、発射角45度に相当する最適打ち出し角を13~18度としている。
PGA男子プロ最適打ち出し角の平均:13~15度
女子プロ最適打ち出し角の平均:16~18度
アマチュアゴルファー理想の打ち出し角:15度~18度

うそ:
深重心設計により、高い打ち出し角]が実現可能なのか?
このメーカーのドライバー公表ロフト角は、8.5度/9.5度/10.5度/11.5度 であるが、リアルロフトは[1~1.5度プラス数値]が検証されている。典型的な大手メーカーのロフト角の不当表示商品である。
低ロフト・ドライバーをアベレージ・ゴルファーが使用しても、実際には中々飛ばない。ところが、高ロフト表示(12度以上)はゴルファーに嫌われ売れない。この為、こうした不当表示商法が行われている。このマーケティング手法は、全ての大手メーカーの飛距離を宣伝するドライバー製品に良く使われている。ロフト角10.5度がリアルロフト12度であれば大手メーカー品としては製品精度はマシな方かもしれない。

クラブヘッド高さ(52.8mm)スィートスポット高さ(33.1mm)から、[15度の打ち出し角]を得るには[重心深度・重心距離]を幾ら深くしても、物理的に不可能である。ロフト角に最低[3.5度加算]するには優れたゴルファーの身体能力が要求される。
平均的なゴルファーの打ち出し角は、最大4度、平均2~3度とされている。つまり、リアルロフトが12度以下のヘッドであれば、タイガー・ウッズ並みのずば抜けた身体能力が必要とされる。

最新シャフト:ホント&うそ
ホント:
シャフトは、Lowキック/ MidLow/Midキック/ MidHigh/Highキック の基本キックポイント(調子)の製品が製造されている。
Lowキックポイントとは、先端部分を軟らかくしたのシャフトであり上がりやすい特性がある。
但し、昔からあるシャフトで最新シャフトではない。ヘッドスピードの遅い非力なゴルファー向けのシャフトである。ヘッドスピードの速く、力のあるゴルファーが[Lowキック]シャフトを使用すると弾道が乱れる傾向がある。

うそ:
自分のスキルレベルにマッチしたシャフトを選択しなければ[高弾道]は生まれない。此処のゴルファーのスキル/能力により適正キックポイントは異なる。このシャフトがマッチするゴルファーは、精々10~20%程度だろう。
「ヘッドスピードが上がった」とするコメントを見掛ける。これは総重量が軽くなりクラブが長くなったためである。HS上昇が飛距離UPに結びつくとは限らない。
最近のシャフトメーカーの主流商品は高弾道タイプであり何処のメーカーも生産している。新技術シャフトでもなんでもない。

結論:
打ち出し角を高くし、大きく飛ばす」ことは理論的に間違いではない。但し、このメーカーのクラブヘッドの大きさ・容量から、物理学的に宣伝する様な「高打ち出し角」得ることは不可能である。
では、アベレージゴルファーが「高打ち出し角」を得るには?
高ロフト角のドライバーと適正シャフトを選択すれば良い。何も、高価なドライバーを購入しなくても実現する。
ヘッドスピード35m/s前後のゴルファー:ロフト角13度~16度
HS40m/s前後のゴルファー:ロフト角12度~14度前後
これが最適打ち出し角を得る方法である。ところが、日本のメーカーは、ロフト角12度以上の製品は製造していない。

「高打ち出し角」ドライバーを製造するBang社……

カスタムクラブは信頼マインドを育む第一歩である。

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