2012年5月11日金曜日

アイアンのスキル上達は素材で決まる。

最近、アイアンの安定度や飛距離に問題を抱えるゴルファーが急増傾向にある。一つには90年代から始まったドライバー長尺化にあるが、最大の要因はアイアンの[ライ角度調整]にある。ゴルフの専門家もショップも[ライ角度調整]の重要性を指導してこなかった。この為、ライ角度調整可能な「アイアン素材」の研究が欧米に比べ遅れた。この日本独自の技術のガラパゴス化が問題を拡大させている。    

アイアン選択の基本の基本は……。                            
最新アイアンヘッド
カスタマイズに重要なのはライ角度調整]であり、調整可能な[素材]を選択すること。閉鎖的な日本のゴルフ業界は、一般ゴルファーにライ角度調整]の必要性も重要性の情報発信や教育を行わずに来た。「適正に調整されたアイアン」を手にすれば、大半のゴルファーは弾道の正確度やスキル熟練度に思い悩むストレスから開放されるだろう。 
欧米では、アイアンの角度度調整は「初心者~上級者」まで幅広く普及しており、アイアンは従来のステンレンス市場から「軟鉄・ソフトステンレス市場」に完全に移行した。
クラブ制作の専門家はライ角度調整]のメリットについて、「市販のヘッドは製造精度の誤差が±2度前後あり、これを補正し安心感を手にすることは計り知れない恩恵がある」と指摘している。
一方、日本ではライ角度調整が必要なのは「上級者」とする情報操作が行われ、未だに「ステンレス・アイアン」が主流に販売されている。


市販のステンレス・アイアンの製造誤差が±2度あれば、5番のライ角度(60度)は、3番か。7番の可能性がある。つまり、3番から7番まで全て同じライ角度の構成があることになる。これで如何にライ角度の調整が重要か理解できるだろう。

3I
4I
5I
6I
7I
8I
9I
PW
59度
59.5度
60度
60.5度
61度
61.5度
62度
62.5度
ライ角度調整は[上級者のステータス]ではない。専門家は「ライ角度がフラット(アップライト)過ぎれば、ボールはターゲットと異なる方向に飛んで行く。これが最大の弊害である。5番アイアンのライ角度が4度狂っていれば、170ヤードの飛距離に対し18ヤード(16.2m)ウエッジであれば120ヤードに対し26フィート(7.8m)ターゲットから外れて来る」と指摘している。
スキル熟練度を過大評価する初心者が、正確に調整されていないアイアンを使用し、方向性にこれだけの誤差が生じればゴルフスキルに幻滅し自滅いくことも考えられる。
ライ角度調整は、身長、アドレス(インパクト)の手の位置(高さ)により変化するが、日本の平均的なゴルファーの5番アイアン(ロフト25度前後)の「ライ角度は62~63度前後が適切」と指摘されている。


ライ角度調整を可能な[素材]は「純鉄・軟鉄・ソフトステンレス」である
純鉄は純度の高い(炭素含有量0.02以下)素材である。軟鉄(Mild Steel)は柔らかく粘りのある特性(炭素含有量0.01~0.08)があり、[±4度]まで角度調整が可能性になる。(1020C/1025C/1035C)カーボンスティール1020と1035の違いは炭素含有量(0.02~0.035%)の差であり、打感に差があるわけでなくこの程度の誤差を感じ取れる人間はいないだろう。デザイン形状の加工性に応じた素材の違いでしかない。
ステンレス鋼は、カーボンスティールの錆びやすい欠点をカバーする耐食性・耐磨耗性に優れた特性があるが、角度調整のできない欠点がある。ソフトステンレス鋼は、耐食性・耐磨耗性に優れた特性を活かしながら、角度調整を可能にした[素材]である。ソフトステンレス(304/431)は、一般的には[±2度まで]調整が可能とされているが、中には[±5度まで]可能なアイアンも誕生している。


科学的には「硬くなれば飛距離が伸びる。逆に粘りが増せばスピン量が増加し方向性の安定度が増す」ことが実証されている。
従来のステンレス鋼のアイアンを使用している初心者・初級者が、「軟鉄・ソフトステンレス」に切り替えることにより、「安定度」の恩恵を得ることになる。
今、重要なことはアイアン選択時に[素材]を含めた伝統的なフィティングを見直す時期に来ているだろう。

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